データの視覚化:散布図

データの視覚化:散布図

お酒を知りたい

先生、『散布図』って言葉、お酒の席で聞いたんですけど、確か図のことですよね?どういうものか教えてください。

お酒のプロ

そうだね。『散布図』は、お酒の種類とか値段といった、二つのことを調べたい時に使う図だよ。例えば、日本酒の値段とアルコール度数みたいに、二つのことがどう関係しているかを見るのに便利なんだ。

お酒を知りたい

値段とアルコール度数ですか?もし値段が高いお酒が、アルコール度数も高いなら、右肩上がりの点の並びになるんですかね?

お酒のプロ

その通り!まさにそういうこと。点の散らばり具合や、右上がり、右下がりなどで、二つのものの関係性がわかるんだ。お酒に限らず、色々な場面で使えるから覚えておくと便利だよ。

散布図とは。

たくさんのサンプルについて、二つの種類の値XとYを測ったとします。片方の軸にXの値、もう片方の軸にYの値を目盛り、それぞれのサンプルをその平面上に点で表した図のことを『散布図』と言います。これはお酒に関する用語ではありません。

散布図とは

散布図とは

散布図とは、二つのものの関係性を調べるための図です。星空のように、たくさんの点が平面に散らばっている様子から、この名前がつきました。この図を使うことで、二つのものの間にどんな関係があるのかを、一目見て理解することができます。

例えば、ある商品の値段と売れた数について考えてみましょう。値段が高いほど、売れる数は少なくなるかもしれませんし、ある値段までは売れる数が増えて、その後は減っていくかもしれません。このような関係を調べるために、散布図が役立ちます。

散布図を作るには、まず紙の上に横線と縦線を引きます。横線と縦線は、それぞれ調べたい二つのものを表します。先ほどの例では、横線に値段、縦線に売れた数を割り当てます。次に、それぞれの組み合わせに対応する場所に点を打ちます。例えば、ある日にちの値段が100円で、売れた数が10個だった場合、横線が100、縦線が10の場所に点を打ちます。このようにして、たくさんの点を打つことで、散布図が完成します。たくさんの点がどのように散らばっているかを見ることで、二つのものの関係性が分かります

点が右上がりになっている場合は、値段が上がると売れた数も増えるという関係を表しています。逆に、点が右下がりになっている場合は、値段が上がると売れた数は減るという関係を表しています。また、点がバラバラに散らばっている場合は、値段と売れた数の間に、はっきりとした関係がないことを示しています。

散布図は、データの全体像を掴むための最初の段階でよく使われます。また、二つのものの間に関係があるかどうかを調べるためにも役立ちます。例えば、商品の値段と売れた数の関係を調べることで、適切な値段設定を検討することができます。このように、散布図は様々な場面で役立つ、強力な道具です。

散布図とは

散布図の読み方

散布図の読み方

散布図は、二つの異なる事柄の関係性を視覚的に捉えるための便利な道具です。横軸と縦軸にそれぞれ異なる事柄を割り当て、それぞれのデータが持つ二つの値を一つの点として図の上に表します。この点の集まり、つまり分布の様子から、二つの事柄の関係を読み解くことができます。

まず注目すべきは、点の全体的な広がり方です。点が右肩上がりに並んでいれば、横軸の値が増えるにつれて縦軸の値も増える傾向、つまり正の相関関係があると言えます。例えば、勉強時間と試験の点数を散布図にすると、多くの場合、勉強時間が長いほど点数も高くなるため、右肩上がりの分布になるでしょう。反対に、点が右肩下がりに並んでいれば、横軸の値が増えるにつれて縦軸の値は減る傾向、つまり負の相関関係があると言えます。例えば、商品の価格と売れた個数を散布図にすると、価格が高いほど売れる個数は少なくなる傾向があるため、右肩下がりの分布になるでしょう。もし、点がバラバラに散らばり、特定の傾きが見られない場合は、二つの事柄には相関関係がないと判断できます。例えば、サイコロを振った時の目と、その日の気温には関係がないため、散布図にしても特定の傾向は現れないでしょう。

さらに、点の密集度合いにも注目することで、より多くの情報を読み取ることができます。点が密集している部分は、その組み合わせのデータが多いことを示しています。例えば、ある年齢層の健康データを散布図に描いたとき、特定の血圧と心拍数の組み合わせにデータが集中していれば、その年齢層で最も一般的な血圧と心拍数の組み合わせが分かります。逆に、点がまばらな部分は、その組み合わせのデータが少ないことを示しています。このように、散布図はデータの分布や相関関係を視覚的に理解する上で非常に役立ちます。

散布図の読み方

散布図の種類

散布図の種類

点を散りばめた図、つまり散布図は、二つのものの関係性を調べるための基本的な図です。横軸と縦軸にそれぞれ異なる項目を当てはめ、それぞれのデータがどのように関係しているのかを視覚的に示すことができます。例えば、気温とアイスクリームの売上の関係を調べたいとき、横軸に気温、縦軸に売上高を置いて点をプロットすることで、気温が上がるとアイスクリームの売上も上がるという関係性を確認できます。

基本的な散布図以外にも、様々な種類があります。例えば、それぞれの点に異なる色や形を付けることで、三つ目の要素を同時に表現することができます。気温とアイスクリームの売上の関係に加えて、曜日ごとの違いを色分けすることで、週末の売上が平日よりも高いといった傾向も掴むことができます。これは、三つの要素の関係を一度に把握したい場合に非常に役立ちます

また、点の大きさを変えることで、それぞれのデータの重要度や影響力を示すこともできます。例えば、会社の売上と顧客数を散布図で表し、それぞれの顧客の購入額に対応した大きさで点を表示することで、どの顧客が大きな売上をもたらしているのかが一目で分かります。これは、重要な顧客を特定する際に役立ちます

さらに、点と点を線で結ぶことで、時間の流れに沿った変化を表すことも可能です。例えば、一日の気温の変化を散布図で表す場合、時間を横軸、気温を縦軸にして、それぞれの時点の気温を点で表し、それらの点を線でつなぐことで、気温がどのように変化したのかを分かりやすく示すことができます。これは、ある事柄の変化の過程を把握したい場合に役立ちます

このように、散布図には様々な種類があり、分析したい内容に合わせて適切な種類を選ぶことで、より効果的にデータを分析し、分かりやすく表現することができます。

散布図の種類 説明 用途
基本的な散布図 横軸と縦軸に異なる項目を当てはめ、データの関係性を示す。 二つの項目間の関係性を視覚的に確認する。例: 気温とアイスクリームの売上の関係
色や形で分類 点に異なる色や形を付けることで、三つ目の要素を表現する。 三つの要素の関係を一度に把握する。例: 気温、アイスクリームの売上、曜日ごとの違い
大きさで重み付け 点の大きさを変えることで、データの重要度や影響力を示す。 重要なデータを特定する。例: 売上と顧客数、顧客ごとの購入額
線で変化を表現 点と点を線で結ぶことで、時間の流れに沿った変化を表す。 事柄の変化の過程を把握する。例: 一日の気温の変化

散布図の活用例

散布図の活用例

散布図は、二つの数値データの関係性を視覚的に捉えるのに役立つ、様々な分野で広く使われている図です。横軸と縦軸にそれぞれ異なるデータを取り、データの組み合わせを点として配置することで、二つのデータの関係性を見ることができます。例えば、アイスクリームの売上と気温の関係を調べたいとします。気温を横軸、アイスクリームの売上を縦軸に取ると、気温が高いほどアイスクリームの売上が伸びるという関係性が見えてきます。

経済学の分野では、物の需要と供給の関係性を分析する際に散布図が用いられます。横軸に物の価格、縦軸に需要量をプロットすることで、需要曲線を描くことができます。同様に、供給曲線も描くことができ、需要と供給が交わる点、つまり均衡点が分かります。この均衡点を知ることで、市場における価格と取引量を予測することができます。

医療の分野でも散布図は活用されています。例えば、患者の年齢と血圧の関係性を調べるために、横軸に年齢、縦軸に血圧をプロットします。すると、年齢を重ねるごとに血圧が上昇する傾向があるのかどうかを視覚的に確認することができます。また、新薬の効果を検証する際にも、薬の投与量と効果の関係を散布図で表すことで、効果的な投与量を特定するのに役立ちます。

販売促進の分野では、広告費と売上高の関係を分析する際に散布図が役立ちます。横軸に広告費、縦軸に売上高をプロットすることで、広告費を増やすことで売上高がどのように変化するのかを把握することができます。この分析結果を基に、最も効果的な広告戦略を立てることができます。

このように、散布図はデータの関係性を分かりやすく示してくれるため、様々な分野で欠かせない分析手法となっています。データの分析を通して、物事の仕組みを理解したり、より良い意思決定を行うために、散布図は強力な道具となるのです。

分野 横軸 縦軸 関係性
ビジネス 気温 アイスクリーム売上 気温が高いほど売上増加
経済学 物の価格 需要量/供給量 需要曲線/供給曲線の作成、均衡点の特定
医療 患者の年齢 血圧 年齢と血圧の相関関係
医療 薬の投与量 効果 効果的な投与量の特定
販売促進 広告費 売上高 広告費と売上高の関係把握

散布図作成の注意点

散布図作成の注意点

点を散らばらせる図、つまり散布図を作る上での大切なことをいくつかご紹介します。この図は、二つのものの関係性を捉えるのに役立ちます。

まず、図の軸となる、縦線と横線の範囲を決めることが大切です。範囲が狭すぎると、データ全体の様子が正しく伝わりません。例えば、桜の開花日を気温だけで調べ、気温の範囲を狭く設定すると、開花時期にずれがある理由が分からなくなってしまいます。反対に、範囲が広すぎると、細かい違いがぼやけてしまいます。たとえば、日本全国の桜の開花日を調べるのに、気温の範囲を広くしすぎると、地域による微妙な開花のずれが分からなくなります。データの全体像を把握しつつ、重要な部分も見落とさない、ちょうど良い範囲を見つけましょう。

次に、散らばっている点の密集具合にも気を配りましょう。点が密集しすぎていると、どこで何が起きているのか分かりにくくなります。まるで、人通りの多い交差点で、個々人の動きが把握しづらいようなものです。このような場合は、点を少しずらしたり、点を透けさせて見やすくしたりすると良いでしょう。密集している部分を薄く透けさせることで、重なり具合を把握しやすくなります。

また、図には、説明書きやをつけましょう。何の値をどのように示しているのかを言葉で添えることで、図の意味がより分かりやすくなります。例えば、桜の開花日と気温の関係を示す散布図ならば、縦軸が「開花日」、横軸が「気温」であることを明記し、データがどの地域の桜を対象としているのかも示す必要があります。

最後に、散布図は、二つのものの関係性がどの程度強いかを示すものであり、必ずしも一方がもう一方の原因となっていることを示すものではありません。桜の開花日と気温には関係がありますが、気温だけが原因で開花が決まるわけではありません。日照時間や雨量など、他の要因も影響していると考えられます。図から読み取れる関係性と、実際に何が原因となっているのかは、別の問題であることを心に留めておきましょう。

これらの点に注意することで、より分かりやすく、データ分析に役立つ散布図を作成することができます。

項目 詳細 例(桜の開花日と気温の関係)
軸の範囲 適切な範囲を設定する。狭すぎると全体像が掴めず、広すぎると細部の違いがぼやける。 気温の範囲は、地域差を捉えられる程度に適切に設定する。
点の密集具合 密集しすぎていると、個々のデータが分かりにくい。点をずらしたり、透けさせたりする工夫が必要。 開花日が同じくらいのデータが重なっている場合は、点をずらしたり、透けさせたりして見やすくする。
説明書き 軸が何を表すか、データが何を対象としているかを明記する。 縦軸:「開花日」、横軸:「気温」、対象地域:「〇〇地方」のように明記する。
相関関係と因果関係 散布図は相関関係を示すもので、因果関係を示すものではない。 気温と開花日は相関関係があるが、気温だけが開花日の原因ではない(日照時間や雨量なども影響する)。