きょうかい7号

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日本酒

お酒造りの立役者!アルコール酵母の世界

お酒造りには、酵母という微生物が欠かせません。目に見えないほど小さな生き物ですが、この酵母の働きによって様々な種類のお酒が生まれます。酵母は糖を分解する性質を持っています。この分解の過程で、糖はアルコールと二酸化炭素に変化します。つまり、私たちがお酒を飲むことで感じるあの酔いの元となるアルコールは、酵母の働きによって作られているのです。また、お酒の種類によっては、瓶を開けた時やグラスに注いだ時にシュワシュワと泡立つものがあります。これも、酵母が作り出した二酸化炭素によるものです。日本酒、ワイン、ビールなど、様々なお酒がありますが、それぞれのお酒によって使われる酵母の種類が違います。同じ糖を分解するといっても、酵母の種類によってその働きは微妙に変化します。例えば、ある酵母はたくさんのアルコールを作り出すのが得意な一方で、別の酵母はそれほど多くのアルコールは作り出せないかもしれません。また、酵母はアルコールだけでなく、独特の風味や香りも作り出します。甘い香りを作る酵母もあれば、フルーティーな香りを作る酵母もあります。まるで料理に様々な調味料を使うように、お酒造りでは、酵母の種類によってお酒の味が大きく変わるのです。そのため、お酒造りの職人たちは、どんなお酒を作りたいかによって、使う酵母の種類を carefully 選びます。すっきりとしたのど越しのお酒を作りたいのか、それとも濃厚で風味豊かなお酒を作りたいのか。それぞれの目的に合わせて最適な酵母を選び、丁寧に育て、お酒造りに活かしているのです。まるで魔法の粉のように、酵母はお酒に個性を与え、私たちに様々な味わいを楽しませてくれる、大切な存在なのです。
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β-アラニン培地:きょうかい7号酵母の純度検定

きょうかい7号酵母は、日本酒造りに欠かせない、いわば名脇役のような存在です。吟醸香と呼ばれる、果実や花を思わせる華やかな香りを生み出す能力に長けており、その香りは日本酒の魅力を大きく引き立てます。この酵母は、正式には「きょうかい7号酵母」と呼ばれますが、一般的には「協会7号」と略されることも多く、日本酒業界では知らない人はいないほど広く知られています。数多くの日本酒の銘柄がこの酵母を用いて造られており、その味わいは多種多様。中には、この酵母の特性を最大限に活かすことで、他に類を見ない独特の風味を醸し出す銘柄も存在します。きょうかい7号酵母がこれほどまでに広く使われている理由は、その優れた発酵能力と、安定した品質にあります。同じ条件で仕込みを行えば、ほぼ同じように発酵が進むため、酒造りの上で非常に扱いやすい酵母と言えるでしょう。しかし、どんなに優れた酵母であっても、他の微生物が混入してしまうと、本来の香りが損なわれたり、味が変化したりする可能性があります。そのため、きょうかい7号酵母の純度を保つことは、高品質な日本酒を造る上で非常に重要です。そこで登場するのが「β-アラニン培地を用いた純度検定」です。これは、きょうかい7号酵母だけが生育できる特殊な培地を用いて、他の微生物が混ざっていないかを調べる方法です。この検定によって、酵母の純度を厳しく管理することで、私たちがいつも飲んでいる日本酒の品質が保たれているのです。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。