さくらんぼ

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ブランデー

さくらんぼの贈り物:キルシュワッサーの世界

さくらんぼを原料としたお酒といえば、キルシュワッサーが頭に浮かびます。名前の由来は、ドイツ語でさくらんぼを意味する「キルシュ」と水を意味する「ワッサー」を組み合わせたもので、まさにその名のとおり、さくらんぼの味わいが詰まったお酒です。キルシュワッサーの製造工程は、まず厳選されたさくらんぼを丁寧に潰し、果汁を取り出すことから始まります。この果汁には、さくらんぼの甘みと独特の香りが凝縮されています。次に、この果汁をじっくりと時間をかけて発酵させます。発酵によって果汁の中の糖分がアルコールへと変わり、お酒のベースが作られます。そして、発酵を終えた原酒を蒸留器にかけ、丁寧に蒸留することで、無色透明で純粋なキルシュワッサーが生まれます。蒸留によって、さくらんぼの繊細な風味と香りがさらに際立ち、雑味が取り除かれた澄んだ味わいとなります。グラスに注がれたキルシュワッサーは無色透明で、一見すると水と見間違えるほどです。しかし、ひとたび口に含むと、さくらんぼ特有の爽やかな甘みと芳醇な香りが口いっぱいに広がります。まるで、さくらんぼの実をそのまま味わっているかのような錯覚に陥るほど、豊かで繊細な味わいが特徴です。ストレートで楽しむのはもちろんのこと、カクテルの材料としても広く使われています。お菓子作りにも活用でき、焼き菓子やチョコレートなどに加えることで、風味を豊かにし、より一層味わい深い仕上がりになります。ほんのりとしたさくらんぼの香りが、大人のデザートタイムを演出してくれるでしょう。
リキュール

チェリーブランデーの魅力

「チェリーブランデー」という名前は、その原料であるさくらんぼの実と、ブランデーを思わせる深い赤色から名付けられました。一見すると、さくらんぼを使った蒸留酒であるかのような印象を受けますが、実際にはブランデーとは製法が異なり、さくらんぼをアルコール度数の高いお酒に漬け込んで作る混成酒です。つまり、さくらんぼの風味を抽出したお酒ということになります。同じさくらんぼを使うお酒として「キルッシュ」がありますが、こちらはさくらんぼを発酵・蒸留して作る蒸留酒です。チェリーブランデーとは製法が全く異なるため、香りや味わいに大きな違いがあります。キルッシュはさくらんぼ本来の風味を活かしたすっきりとした味わいである一方、チェリーブランデーは甘みが強く、リキュールに分類されます。砂糖を加えて甘みをつけているため、デザート感覚で楽しむことができます。「ブランデー」という名前が含まれているため、高級な蒸留酒を想像する人もいるかもしれませんが、実際は混成酒であり、製法や味わいは大きく異なります。この少し紛らわしい名前には、歴史的な背景が関係していると考えられます。チェリーブランデーが誕生した当時は、ブランデーが広く知られた蒸留酒でした。まだ一般的に認知されていなかったチェリーブランデーに「ブランデー」という名前を付けることで、人々に親しみやすく、高級な印象を与えようとしたのかもしれません。このように、チェリーブランデーの名前の由来には、ちょっとした工夫と、当時の時代背景が反映されています。その由来を知ることで、チェリーブランデーというお酒への理解がより一層深まり、味わいをより楽しむことができるでしょう。