アルコール分

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日本酒

お酒のエキス分:味わいの秘密

お酒の味わいを深く知る上で、「エキス分」は欠かせない要素です。これは、お酒の中に含まれる蒸発しない成分の量を表す指標です。具体的には、温度十五度で、お酒百立方センチメートル中にどれだけの量の蒸発しない成分が含まれているかをグラム数で示したものです。このエキス分は、お酒の風味を形作る重要な役割を担っています。お酒の種類や作り方によって、エキス分の量は大きく変わり、これがお酒の個性につながります。エキス分が多いお酒は、一般的に濃厚でコクのある深い味わいを持っています。口に含むと、とろりとした舌触りで、様々な風味が複雑に絡み合い、長く余韻が残る傾向があります。例えば、熟成期間の長い日本酒や麦芽を多く使ったビールなどは、エキス分が高く、豊かな味わいが特徴です。反対に、エキス分が少ないお酒は、すっきりとして軽やかなさっぱりとした味わいです。口当たりは軽快で、のど越しがよく、爽やかな印象を与えます。例えば、蒸留酒を炭酸で割ったものや、軽やかなタイプの白ワインなどは、エキス分が低く、飲みやすいのが特徴です。このように、エキス分はお酒の個性を理解する上で非常に重要な指標となります。エキス分の量を知ることで、お酒の味わいや風味の特徴を掴むことができ、より深くお酒を楽しむことができるでしょう。お酒を選ぶ際や、味わいを表現する際に、エキス分に注目してみると、新しい発見があるかもしれません。