
ブラジルの魂、ピンガの魅力
ピンガは、南米大陸に位置するブラジルを代表するお酒です。さとうきびの搾り汁を原料とし、独特の製法で造られます。その製法とは、さとうきびの搾り汁に水を一切加えず、自然な濁りのまま発酵させ、蒸留するというものです。一般的なお酒造りでは、発酵前に原料に水を加えることが多いのですが、ピンガは加水しないことで、さとうきび本来の力強い風味と独特の深みを最大限に引き出しているのです。こうして出来上がったピンガは、無色透明のものから淡い黄色を帯びたものまで、様々な色合いを見せてくれます。ピンガは、製法や原料が似ていることから、よくラム酒の一種と言われることがあります。確かに、どちらもさとうきびを原料としていますが、ピンガは一般的なラム酒よりも、より重厚な味わいと芳醇な香りが特徴です。さとうきびの甘みとコク、そしてほのかな酸味が複雑に絡み合い、口の中に広がる豊かな香りは、まさにブラジルの太陽と大地の恵みを感じさせます。まるでブラジルの風土と情熱が凝縮されたようなお酒と言えるでしょう。ピンガは、カシャーサやカシャッサと呼ばれることもあります。カシャーサは、さとうきびを原料とする蒸留酒の総称ですが、ピンガは、その中でも特に高品質なものを指す呼称として用いられています。その名はブラジル全土に知れ渡っており、人々に愛されています。ブラジルでは、国民的なお酒として、様々な場面で楽しまれています。祝い事や祭り、また日々の食卓など、人々の生活に深く根付いています。まさにブラジルの人々の魂を揺さぶるお酒、それがピンガなのです。