キレ

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その他

お酒のキレとは?その秘密を解き明かす

お酒を嗜む際に「切れが良い」と言う表現をよく耳にしますよね。しかしこの「切れ」とは、一体どのような感覚を指すのでしょうか。漠然としたこの表現、実は奥深いお酒の世界を紐解く鍵となる重要な要素なのです。一口に「切れ」と言っても、お酒の種類によってその感じ方は千差万別。今回は、この「切れ」の正体に迫り、様々な種類のお酒における「切れ」の違いを紐解いていきましょう。まず、「切れ」とは、口の中でお酒を味わった後、その味わいがどれだけ速やかに消えていくかを表す尺度と言えるでしょう。後味がいつまでも残らず、すっきりと消えていく感覚。これが「切れが良い」と言われる状態です。反対に、いつまでも口の中に甘さや苦味、渋みが残る場合は「切れが悪い」と表現されます。この「切れ」の良さは、お酒を美味しく味わう上で非常に重要な要素となっています。日本酒で言えば、切れの良さは、特に吟醸酒などの香り高いお酒で重視されます。繊細な香りを存分に楽しむためには、前の酒の味が舌に残っていては邪魔になってしまうからです。切れの良いお酒は、様々な料理との相性も良く、食事全体の味わいを引き立ててくれます。ビールにおいては、喉越しと併せて切れの良さも重要視されます。キンキンに冷えたビールをゴクゴクと飲み干した後の、爽快な喉越しと後味のキレは、夏の暑さを吹き飛ばす格別なものです。濃厚な味わいのビールであっても、後味がすっきりしていれば、重たさを感じることなく楽しむことができます。ワインの場合は、「切れ」よりも「余韻」が重視される傾向にあります。複雑な風味や香りが長く続くことが、ワインの奥深さを楽しむ上で重要だとされているからです。しかし、軽やかな味わいの白ワインなどでは、切れの良さが評価される場合もあります。このように、お酒の種類によって「切れ」の感じ方や重要性は異なってきます。それぞれの酒の特徴を理解し、「切れ」の良し悪しを判断することで、より深くお酒を楽しむことができると言えるでしょう。皆さんも、次に飲むお酒の「切れ」に注目してみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見があるはずです。
焼酎

黒麹の魅力:個性際立つ酒の世界

黒麹とは、焼酎や泡盛など、いくつかのお酒造りに欠かせない麹菌の一種です。麹菌とは、蒸した米などの穀物に繁殖し、穀物に含まれるデンプンを糖に変える働きをする微生物のことです。この糖分が、酵母の働きによってアルコールへと変化し、お酒が出来上がります。黒麹は「アワモリコウジカビ」と呼ばれることもあり、その名の通り、沖縄の泡盛造りで伝統的に使われてきました。黒麹の大きな特徴は、その名の通り、黒っぽい色をしていることです。これは、他の麹菌である黄麹や白麹と大きく異なる点です。この黒っぽい色は、麹菌が作り出す色素によるもので、この色素が、お酒に独特の風味とコクを与えます。黒麹を使うことで、芳醇な香りと濃厚な味わい、そして後味のキレの良さといった、他にはない独特の風味を持つお酒が出来上がります。黒麹は、沖縄の泡盛以外にも、九州地方の焼酎造りにも広く使われています。特に、鹿児島県の芋焼酎などで、黒麹仕込みのものは多く、黒麹特有の力強い風味が、芋の甘みと相まって、多くの人を魅了しています。近年では、黒麹は日本酒造りにも応用されるなど、その活躍の場は広がりを見せています。日本酒造りでは、伝統的に黄麹や白麹が用いられてきましたが、黒麹を使うことで、従来の日本酒とは異なる、個性的な味わいを生み出すことができます。例えば、フルーティーな吟醸酒とは対照的に、どっしりとした重厚な味わいの日本酒を造ることができます。このように、黒麹は、様々な種類のお酒造りに活用され、酒好きの心を掴んで離しません。今後も、黒麹を使った新しいお酒が生まれることに、大きな期待が寄せられています。