クォーターカスク

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ウィスキー

小さな樽の大きな魅力:クォーターカスク

小さな樽、別名クォーターカスクは、その名の通り、かつて使われていた大きな樽「バット」の四分の一の大きさを持つウイスキーの熟成容器です。その容量は、一百十リットルから百六十リットルほどで、一般的なウイスキー樽よりもかなり小さめです。この小さな樽がウイスキーにもたらす効果は、その大きさからは想像もつかないほど大きなものです。ウイスキーの熟成には、樽の内側にある木材との接触が欠かせません。小さな樽では、ウイスキーと木材が接する面積の割合が、通常の樽よりも大きくなります。ウイスキー原酒全体に行き渡る木材の風味や成分が増えるため、通常よりも早く熟成が進むのです。これは、限られた熟成期間でも、より深い味わいと香りを持つウイスキーを造り出せるということを意味します。例えば、十年熟成のウイスキーの場合、通常の樽では十年かけてゆっくりと熟成が進むのに対し、小さな樽では、同じ十年でも、より早く、より深い熟成が期待できます。まるで時間を凝縮したかのような、凝縮された風味とまろやかさを楽しめます。この小さな樽は、ウイスキー造りの世界に大きな変化をもたらしました。今では、多くの蒸留所でこの小さな樽が採用され、様々な風味のウイスキーが生まれています。小さいながらもウイスキーの熟成に大きな影響を与えることから、「小さな巨人」と呼ぶにふさわしい存在と言えるでしょう。近年、様々な種類のウイスキーが販売されていますが、小さな樽で熟成させたウイスキーを探してみるのも、ウイスキーを楽しむ上での一つの方法と言えるでしょう。