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日本酒

日本酒の輝き:テリを知る

お酒を嗜む際に、見た目も味わいを左右する大切な要素です。特に日本酒においては、その透明感は品質を推し量る重要な指針となります。「照り」と呼ばれるこの輝きは、日本酒が光をどのように反射するかを表す言葉であり、お酒を選ぶ上で欠かせない要素です。照りの良い日本酒は、まるで磨き上げられた宝石のようです。光を浴びると、美しく反射し、透き通るような輝きを放ちます。その輝きは、見る者を惹きつけ、口にする前から美味しさを予感させます。まるで澄み切った水面のように、奥深くまで見通せるような透明感は、雑味の無さ、純粋さの証とも言えるでしょう。反対に照りの悪い、いわゆる「冴えが悪い」日本酒は、濁っていて輝きがありません。光を反射せず、鈍く淀んだ印象を与えます。このようなお酒は、見た目にも美味しさが損なわれ、飲む前から期待感を削いでしまいます。冴えの悪さは、お酒の劣化や雑味の存在を示唆している場合もあり、品質に問題がある可能性も考えられます。日本酒を選ぶ際には、まず瓶を傾けて光にかざし、その照りを確認してみましょう。きらきらと輝くお酒は、新鮮で雑味の少ない、質の高いお酒である可能性が高いです。照りは、日本酒の品質を見極める上で、手軽ながらも確かな判断材料となるでしょう。ラベルの情報だけでなく、自身の目で確かめることで、より満足のいくお酒選びができるはずです。
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日本酒の濁り:見た目と味わいの関係

お酒の澄み具合を数値で表す方法があり、これは濁度と呼ばれます。基準となるのは蒸留水で、その濁度を0として、そこからどれくらい濁っているかを測ります。この数値は、お酒の見た目だけでなく、舌触りや風味にも関わる大切な要素です。濁度が低いほど、お酒は澄んで透き通り、美しい輝きを放ちます。たとえば、濁度が20以下の日本酒は、水晶のように透き通っていて、光にかざすとキラキラと輝きます。まるで磨き上げられた宝石のようです。30以下であれば、普段よく目にする一般的な日本酒の透明度で、見た目にも清涼感があります。濁度が50くらいになると、少し白っぽく霞んだ感じになり、濁りを感じ始めます。口に含むと、滑らかでとろみのある舌触りを楽しむことができます。100まで上がると、かなり濁った状態になり、お酒の中に細かい粒子が漂っているのが肉眼でも確認できるようになります。どぶろくのように、お米の粒が溶け込んでいるお酒は、さらに高い濁度を示します。この濁度は、お酒の種類や作り方によって大きく変わります。たとえば、濾過をしっかり行うと濁度は低くなりますし、逆に濾過をしない、あるいは軽く濾過するだけのお酒は濁度が高くなります。また、お米をたくさん溶け込ませるように醸造したお酒も、濁度が高くなる傾向があります。このように、濁度はそのお酒の特徴を表す大切な指針の一つとなっています。