
最古のビールレシピ?モニュマン・ブルー
お酒は、人が生きてきた歴史とともに歩んできたと言っても大げさではありません。遠い昔から、世界の様々な場所で、多種多様なお酒が作られ、人々に楽しまれてきました。その中でも、ビールは特に古い歴史を持つお酒の一つです。ビールの歴史を紐解く旅の始まりとして、今回は古代メソポタミアで発見された貴重な石版、「モニュマン・ブルー」についてお話しましょう。この石版は、今からおよそ六千年も前の紀元前四千年紀に作られたとされ、ビールの起源を知る手がかりとなる、まさに歴史の宝と言えるでしょう。モニュマン・ブルーは、現在のイラク南部にあたる古代メソポタミアの遺跡から発見されました。石版には、シュメール人がビールを製造していた様子が描かれています。シュメール人は、世界最古の文明の一つとして知られ、高度な農業技術を持っていました。彼らは大麦などの穀物を栽培し、それを原料としてビールを醸造していたのです。モニュマン・ブルーには、麦をすりつぶし、水を加えて発酵させる様子が刻まれており、当時のビール製造技術の高さを物語っています。この石版に描かれたビール造りの様子は、現代のビール造りにも通じるものがあります。麦芽を製麦し、糖化、発酵、熟成という工程を経てビールが完成する基本的な流れは、数千年の時を経ても変わっていません。もちろん、現代のビール造りは、科学技術の進歩により、より精緻で高度なものとなっています。しかし、モニュマン・ブルーから読み取れる古代の人々の知恵と工夫は、現代の私たちにも感銘を与えてくれます。モニュマン・ブルーは、単なるビール造りの記録にとどまらず、当時の社会や文化を知る上でも貴重な資料です。ビールは、宗教儀式や祝宴など、様々な場面で飲まれていました。石版には、ビールを飲む人々の姿や、ビールを神に捧げる様子なども描かれており、ビールが古代社会において重要な役割を担っていたことが分かります。モニュマン・ブルーを通して、私たちは古代の人々の生活や文化、そしてビールの歴史に思いを馳せることができるのです。ビールを飲む際には、モニュマン・ブルーに思いを馳せ、その歴史に乾杯してみてはいかがでしょうか。