ノニック

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ビール

パイントグラスとノニックの秘密

イギリスの飲み屋でよく見かける背の高いビールグラス。パイントグラスと呼ばれるこのグラスには、飲み口付近に少し膨らんだ部分があります。まるで帯を巻いたように見えるこの膨らみは「ノニック」と呼ばれ、実は持ちやすさを考えて作られたものなのです。このノニック部分、指をひっかけるのにちょうど良い大きさになっています。そのためグラスを持つ時にしっかりと握ることができ、賑やかな店内でうっかり落としてしまう心配も減ります。たくさんの人が集まり、楽しくお酒を飲んでいる中では、うっかりグラスを倒してしまうこともあるかもしれません。そんな時でも、このノニックがあるおかげで安心してグラスを傾けることができるのです。また、グラスを重ねて収納する際にも、このノニックが役立ちます。ノニックがあることでグラス同士がぴったりとくっつくのを防ぎ、スムーズにグラスを取り出すことができます。パブでは一度にたくさんのグラスを使うため、積み重ねて収納しやすいことも重要なポイントです。さらに、ノニックにはビールの香りをグラスに閉じ込める効果もあると言われています。飲み口が少し狭まっていることで、ビールの香りが外に逃げにくくなり、より豊かにビールの味を楽しむことができるのです。このように、ノニックは見た目だけでなく、持ちやすさや収納のしやすさ、香りを楽しむ工夫など、様々な機能が考え抜かれたパイントグラスの大切な特徴と言えるでしょう。何気なく手にしているグラスにも、実はたくさんの工夫が凝らされていることを知ると、一杯のビールを味わう楽しみもまた増えるのではないでしょうか。