
ハイランドウイスキーへの誘い
北の大地、スコットランドの北部には、雄大なハイランド地方が広がっています。ここは、スコッチウイスキーのふるさととも言える場所で、たくさんの蒸留所が点在しています。ウイスキーづくりに欠かせない澄んだ水、冷涼な空気、そして豊かな自然に恵まれたこの地は、まさにウイスキーの聖地と呼ぶにふさわしい場所です。ハイランド地方は広大な土地であり、場所によって地形や気候が大きく異なっています。そのため、ハイランドウイスキーは実に様々な風味を持つことで知られています。海岸沿いの地域では、潮の香りがほのかに感じられるウイスキーが生まれます。海からの風が運ぶ潮の香りが、ウイスキーに独特の風味を添えているのです。一方で、内陸部の高地では、ピートを焚いて麦芽を乾燥させるため、スモーキーな香りのウイスキーが生まれます。ピートとは、植物が堆積してできた泥炭のことです。このピートの香りが、ウイスキーに独特のスモーキーフレーバーを与えます。さらに、同じハイランド地方の中でも、東部、西部、北部、南部によって、それぞれ異なる特徴を持つウイスキーが生まれます。東部のウイスキーは、比較的まろやかで飲みやすいものが多い一方、西部のウイスキーは、力強く複雑な味わいが特徴です。北部では、潮の香りとピート香のバランスが良いウイスキーが、南部では、フルーティーで華やかな香りのウイスキーが造られています。このように、ハイランドウイスキーは、産地によって実に多様な表情を見せてくれます。一口にハイランドウイスキーと言っても、その味わいは実に様々。だからこそ、奥深く、そして人々を惹きつけてやまない魅力に満ちているのです。北の大地が生み出したウイスキーは、世界中の人々を魅了し続けています。それぞれの蒸留所のこだわりが詰まった一杯を、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。