マジョリカ焼き

記事数:(1)

その他

デルフト焼きの魅力:歴史と美

デルフト焼きは、オランダのデルフトの街で生まれた焼き物です。その歴史は、16世紀後半に始まります。当時、ヨーロッパでは、イタリアで生まれたマジョリカ焼きという、鮮やかな色彩と装飾が美しい焼き物が大変人気を集めていました。このマジョリカ焼きがデルフトに伝わったことが、デルフト焼き誕生のきっかけとなりました。実は、当時のオランダはスペインの支配下にありました。そのため、オランダで作られる焼き物も、イスラム文化の影響が色濃いスペイン陶器の特徴を受け継いでいました。幾何学模様や、植物をモチーフにした文様が特徴的な、落ち着いた雰囲気の焼き物が主流だったのです。そこに、ルネサンス文化華やぐイタリアから、マジョリカ焼きがもたらされました。デルフトの職人たちは、この斬新なマジョリカ焼きの技術を熱心に学びました。そして、従来のスペイン陶器の技法と、マジョリカ焼きの技術を融合させ、さらに独自の工夫を加えることで、デルフト焼きは誕生したのです。イスラム文化の影響を受けたスペイン陶器の土台に、イタリアのルネサンスの華やかさと、オランダの職人の緻密な技術が加わったデルフト焼きは、まさに文化の融合の結晶と言えるでしょう。デルフト焼きの特徴として、白地に青で絵付けされたデルフトブルーが特に有名です。デルフトブルーは、デルフト焼きの代表作として世界中で愛されています。風景や風俗、花鳥風月など、様々な絵柄が描かれたデルフトブルーの焼き物は、当時の人々を魅了し、瞬く間にヨーロッパ中に広まりました。現在でも、デルフト焼きは、その美しい絵付けと、歴史を感じさせる風格で、多くの人々を魅了し続けています。