ヤブタ

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日本酒

酒造りの革新:ヤブタ式自動圧搾機

お酒造りにおいて、もろみからお酒を搾り出す作業は、お酒の良し悪しを決める大切な工程です。昔から、様々な搾り方が試みられてきました。その歴史を辿ってみましょう。一番古い時代は、布の袋にもろみを詰め、その上に重石を乗せて、自然に落ちてくる雫を集める方法が一般的でした。しかしこの方法は、時間と手間がかかるだけでなく、もろみ全体に均一に圧力がかからないため、雑味が出てしまうこともありました。お酒の出来栄えにばらつきが出て、安定した品質を保つのが難しかったのです。その後、梃子を使って圧力をかける槽(ふね)が登場しました。大きな木製の桶にもろみを入れ、梃子の原理で圧力をかけることで、重石を使う方法よりも効率的に搾ることが可能になりました。しかし、梃子で加える圧力は、どうしても一部分に集中してしまうため、もろみへの圧力のかかり方にムラがありました。そのため、雑味が残ったり、お酒の香りが損なわれたりする可能性がありました。搾る人の技術によってお酒の品質が大きく左右される時代でした。このような状況の中、画期的な機械が登場しました。それがヤブタ式自動圧搾機です。この機械は、自動で均一に圧力をかけることができるため、雑味の少ないお酒を効率的に搾ることを可能にしました。また、圧力のかけ具合を細かく調整できるため、様々な種類のお酒造りに対応できるようになりました。ヤブタ式自動圧搾機の登場は、酒造りの現場に大きな変化をもたらし、お酒の品質向上と安定供給に大きく貢献しました。これにより、大量生産が可能になり、多くの人が美味しいお酒を気軽に楽しめるようになったのです。