不良米

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日本酒

お酒と屑米の知られざる関係

日本酒は、おいしいお米から生まれるお酒です。多くの方がそのようにイメージするのも当然で、良いお酒を造るには、質の良いお米が欠かせません。しかし、中にはお酒造りには向かないお米もあります。いわゆる「くず米」と呼ばれるものです。くず米とは、その名の通り、砕けやすく粒の大きさが揃っていないお米のこと。具体的には、しいな米、死米、死青米、未熟米など様々な種類があります。しいな米は、籾殻の中で米粒が十分に育たず、薄くて軽い米のこと。死米は、中身が白く濁っていて、硬く締まっている米を指します。死青米とは、収穫前に穂の中で枯れてしまった青い米。未熟米は、十分に成熟しないまま収穫された米です。これらのくず米は、私たちが普段口にするお米としては販売に向きません。形が不揃いだったり、食味が劣っていたりするからです。しかし、実はあるお酒造りには欠かせない存在なのです。それは何かというと、焼酎造りです。焼酎は、日本酒とは異なり、くず米など様々な原料から造られます。くず米は、精米歩合が高い米に比べて価格が安く、焼酎造りにとっては経済的なメリットがあります。また、くず米は、独特の風味やコクを与えるため、焼酎の味わいを深める役割も担っています。風味豊かな焼酎の中には、このくず米が重要な役割を果たしているものもあるのです。このように、普段はあまり注目されないくず米ですが、焼酎造りにおいては重要な役割を担っています。お酒造りは、様々な原料と技術の組み合わせによって成り立っていることを改めて感じさせられます。