中糠

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日本酒

日本酒と糠の関係:中糠の役割

お酒造りに欠かせないお米。そのお米を磨く工程で生まれる副産物、それが糠です。糠の種類は、お米を磨く度合いによって様々です。まるでお米の衣を一枚ずつ剥がしていくように、糠の種類も変化していきます。まず、玄米から最初に生まれるのが赤糠です。これは、お米の一番外側にある糠で、色が濃く、ほんのりとした香りが特徴です。赤糠には、お米の栄養が豊富に含まれています。特に脂質やミネラルが多く、健康にも良いとされています。しかし、お酒造りにおいては、雑味のもととなる成分も含まれているため、使用されることは稀です。次に現れるのが中糠です。赤糠に比べると、色は薄く、香りも穏やかです。赤糠ほどではありませんが、まだ栄養価は高く、日本酒造りにおいて重要な役割を担っています。中糠には、お酒にコクと深みを与える成分が含まれており、特定の種類のお酒造りには欠かせない存在です。さらに磨きを進めると白糠が現れます。白糠は、お米の芯に近い部分で、色は白く、純粋なデンプン質が豊富です。白糠は、お酒に上品な甘みと滑らかな口当たりを与えます。そのため、高級なお酒造りで使用されることが多いです。そして最後に、磨き工程の最終段階で現れるのが特上糠です。特上糠は、お米の芯に最も近い部分で、非常に白く、きめ細かいのが特徴です。まるで粉雪のようにサラサラとしており、純粋なデンプン質が豊富に含まれています。特上糠は、雑味が少なく、お酒に繊細な味わいを与えます。そのため、最高級のお酒造りに使用されることが多く、お酒の品質を大きく左右する重要な存在です。このように、糠の種類によって、含まれる成分やお酒への影響が大きく異なります。それぞれの糠の特徴を理解することで、日本酒造りの奥深さ、そして職人の技を感じることができるでしょう。