
甘酒の魅力:種類と楽しみ方
米麹で造る甘酒と、酒粕から造る甘酒。どちらも同じ名前で呼ばれていますが、その中身は大きく異なります。まず、米麹から造る甘酒は、蒸した米に米麹を加えて、じっくりと時間をかけて糖化させたものです。麹菌の働きで米のでんぷんが糖に変化することで、自然な甘みが生まれます。砂糖を一切加えていないにも関わらず、優しい甘さが口いっぱいに広がるのが特徴です。まるで点滴のように様々な栄養素が含まれていることから「飲む点滴」とも呼ばれ、健康や美容に気を遣う人たちの間で人気を集めています。ビタミンB群やアミノ酸、ブドウ糖、オリゴ糖など、体に嬉しい成分が豊富に含まれており、夏の暑さで疲れた体や冬の冷え切った体を優しく癒してくれます。ノンアルコールのため、子供からお年寄りまで安心して飲むことができます。また、近年では砂糖の代わりに甘酒を使うレシピも増え、様々な料理に活用されています。一方、酒粕から造る甘酒は、日本酒を絞った後に残る酒粕を水で溶き、砂糖を加えて甘みをつけたものです。酒粕には日本酒造りで活躍した酵母や麹菌、米の粒などが含まれており、独特の風味とコクが特徴です。米麹から造る甘酒とは異なり、こちらは少量ですがアルコールが含まれていますので、お子様や妊娠中、授乳中の方、アルコールに弱い方は注意が必要です。酒粕特有の香りが苦手な方もいるかもしれませんが、温めることで香りが和らぎ、より一層美味しくなります。体を芯から温めてくれる効果があるため、寒い冬にはぴったりの飲み物と言えるでしょう。生姜やシナモンなどの香辛料を加えてアレンジするのもおすすめです。このように、甘酒には二つの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。それぞれの違いを理解し、自分の好みに合った甘酒を選んで、その豊かな味わいを楽しみましょう。