保管

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ビール

生ビールとは?歴史と魅力を探る

麦酒を味わう時、よく耳にする『生麦酒』という言葉。その真意をご存知でしょうか? 一般的に、生麦酒とは、製造過程で加熱処理を施していない麦酒を指します。麦酒造りは、まず大麦などの穀物を麦芽へと加工することから始まります。この麦芽から糖分を抽出したものが、麦汁です。この麦汁に酵母を加えることで、発酵が始まります。酵母は麦汁中の糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスを生み出します。この発酵こそが、麦酒に独特の風味を与える重要な工程です。発酵が完了した麦酒には、酵母やその他様々な成分が残存しています。これらの成分は、時間の経過とともに麦酒の風味を変えてしまうことがあります。そこで、多くの麦酒では、加熱処理を行い、これらの成分を不活性化させます。これにより、麦酒の品質を長期間保つことができるのです。しかし、生麦酒は、この加熱処理を行いません。酵母が生きたまま瓶詰めされるため、出来立ての新鮮な風味と香りを楽しむことができます。まるで麦酒屋で飲む樽詰め麦酒のような、芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、生き生きとした味わいが口いっぱいに広がります。また、加熱処理によって失われてしまう麦芽由来のビタミンや酵素などの栄養素も、生麦酒には多く残っています。そのため、味わいだけでなく、健康面でもメリットがあると言えるでしょう。ただし、酵母が生きているということは、劣化も早いということ。生麦酒は、製造後できるだけ早く、適切な温度で保存し、早めに飲むことが大切です。こうして、生きた麦酒の美味しさを存分にご堪能いただけます。
日本酒

日本酒のひなた臭:原因と対策

日本酒は、米と水から生まれる繊細な醸造酒であり、保管状態によってその味わいは大きく変化します。まるで生き物のように、周囲の環境に影響を受けやすいお酒なのです。温度変化や光、特に日光は日本酒の品質に深刻なダメージを与えます。品質を保ち、美味しい状態を長く楽しむためには、適切な保管が不可欠と言えるでしょう。日本酒の大敵とも言えるのが「日光」です。日本酒を日光に当ててしまうと、風味の劣化を引き起こし、時に「ひなた臭」と呼ばれる独特のいやな臭いを生じさせることがあります。これは、日光に含まれる紫外線が日本酒の成分に化学変化を引き起こすことが原因です。このひなた臭は、日本酒本来の繊細な香りを損ない、味わいを大きく損ねてしまうのです。せっかくの美味しい日本酒も、ひなた臭が出てしまっては台無しです。ひなた臭は、日光に含まれる紫外線が日本酒の成分と反応することで発生します。具体的には、日本酒に含まれるアミノ酸と光が反応し、硫黄化合物の一種であるジメチルスルフィド(DMS)という物質が生成されます。このDMSが、いわゆる「ひなた臭」の原因物質です。DMSは、ゆでた野菜のような、あるいはゴムのような独特の臭いを持ち、日本酒の繊細な香りと味わいを覆い隠してしまいます。では、どのようにすればこのひなた臭の発生を防ぐことができるのでしょうか?最も効果的なのは、日本酒を日光に当てないことです。購入後は、冷暗所で保管するようにしましょう。冷蔵庫での保管が理想的です。また、瓶もなるべく色の濃いもの、もしくは光を通さない容器を選ぶことで、紫外線の影響を最小限に抑えることができます。万が一、ひなた臭が発生してしまった場合は、残念ながら完全に元に戻すことは難しいです。しかし、軽く火入れすることで、臭いを軽減できる場合があります。ただし、火入れは日本酒の風味全体にも影響を与えるため、注意が必要です。ひなた臭を発生させないためには、日頃から適切な保管を心がけることが大切です。