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ビール

ビールの苦味成分、イソフムロンの新たな可能性

ビールのあの独特な苦み、どこから来るものかご存知ですか?ビールの醸造に使われる「ホップ」という植物がその源です。ホップはアサ科のつる性の植物で、その松ぼっくりのような形をした花の部分「毬花(まりばな)」が使われます。このホップには「α酸」と呼ばれる物質が含まれており、ビール作りの加熱工程でこのα酸が変化することで「イソα酸」という苦み成分が生まれます。そして、このイソα酸を総称して「イソフムロン」と呼びます。つまり、イソフムロンこそがビールの苦味の決め手なのです。ビールの苦みの強さは「国際苦味単位(IBU)」という数値で表されます。この数字が大きいほど、ビールの苦みが強いことを示します。喉ごし爽やかなのど越しで人気のラガービールは一般的にIBU値が低く、苦みが穏やかです。一方、香り高くフルーティーな味わいのエールビール、特にIPAなどはIBU値が高く、強い苦みが特徴です。ビールの苦みは、ただ苦いだけではなく、私たちの体に嬉しい効果も持っています。食欲を増進させたり、食べ物の消化を助ける効果も期待できるといわれています。さらに、ビールのクリーミーな泡にも関係があります。イソフムロンは泡立ちをよくし、きめ細かい泡を長持ちさせる役割も果たしているのです。ビールを飲む際に、苦みとともに泡の美しさにも注目してみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。