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注目の大麦品種、オプティックを知る

麦芽酒の原料となる大麦は、風味や品質を左右する大切な要素です。数ある大麦品種の中でも、近年注目を集めているのが「オプティック」と呼ばれる品種です。オプティックは、西暦2000年頃から栽培が始まった比較的新しい品種で、その名の由来は麦粒の光学的特性にあります。光を通しやすく、内部構造が見やすいことから「オプティック(光学の)」と名付けられました。この特性は、麦芽製造の過程で麦粒の品質を均一に保つのに役立ち、安定した品質の麦芽酒造りを可能にしています。オプティックが登場する以前は、「ゴールデン・プロミス」という品種が広く栽培されていました。しかし、時代の変化とともに、より多くの収穫量を求める声が上がり、新たな品種の開発が求められました。そこで、ゴールデン・プロミスの優れた点を受け継ぎつつ、収量性と病気への強さを高めた品種として、オプティックが誕生したのです。オプティックは、ゴールデン・プロミスに比べて背丈が低く、穂が詰まっているため、倒伏しにくく、収穫しやすいという利点もあります。また、様々な気候や土壌にも適応しやすく、栽培のしやすさも魅力の一つです。現在、オプティックは麦芽酒の主要産地であるスコットランドをはじめ、世界中で広く栽培されています。オプティックから造られる麦芽酒は、その品質の高さから高い評価を得ており、多くの蒸留酒製造所で採用されています。豊かな香り、まろやかな味わい、そして心地よい後味が特徴で、麦芽酒愛好家を魅了し続けています。近年、気候変動の影響で農作物の安定供給が課題となっていますが、オプティックは病気への強さと環境への適応能力が高いため、将来有望な品種として期待されています。様々な環境変化にも負けず、安定した品質と収穫量を維持できる強さが、オプティックの大きな魅力と言えるでしょう。
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ユニブラン:隠れた主役の白ぶどう

フランス南西部生まれの白ぶどう、ユニブラン。耳慣れない名前かもしれませんが、実は私たちのよく知るお酒に深く関わっています。そう、ブランデーの原料として欠かせない存在なのです。特に有名なコニャックやアルマニャックは、このユニブランから造られています。フランス国内でのユニブランの栽培面積は驚くほど広く、ボルドーやロワール渓谷など、様々な地域で栽培されています。別名サンテミリオンとも呼ばれ、有名な赤ワイン産地サンテミリオンでも見ることができます。しかし、赤ワインで名高いこの地では、ユニブランはどちらかと言えば目立たない存在です。けれど、地味な印象とは裏腹に、ユニブランは並外れた力強さと豊かな可能性を秘めているのです。様々な気候風土に適応する力強さ、そして高品質のブランデーを生み出す潜在能力。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。ユニブランから生まれるワインやブランデーは、華やかな香りが特徴です。熟した果実や花の香りは、お酒に奥行きと複雑さを与えてくれます。ユニブランの魅力は、その適応力の高さにもあります。普通のワインだけでなく、発泡性ワインや酒精強化ワインなど、様々な種類のお酒の原料として使われています。まるで七変化のように、様々な表情を見せてくれるユニブラン。まさに、万能ぶどうという呼び名にふさわしいと言えるでしょう。ユニブランは、ワインやブランデーを通して、私たちに豊かな味わいを与えてくれるだけでなく、その土地の風土や文化も伝えてくれます。あまり知られていないユニブランの世界。これからもっと深く探求し、その魅力を味わってみませんか。