品質評価

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日本酒

日本酒の格付け: きき酒の世界

お酒の格付けとは、お酒の良し悪しを評価し、ランク分けする仕組みのことを指します。いわば、お酒の成績表のようなものです。この格付けは、味覚の鋭い専門家であるきき酒師たちが、様々な種類のお酒を吟味し、評価することで決定されます。きき酒師たちは、まずお酒の色合いや透明度といった見た目を入念に確認します。次に、お酒の香りをじっくりと嗅ぎ分け、どのような香りがするのか、その強さや複雑さはどうかなどを分析します。そして最後に、口に含んで味わいを確かめます。口に入れた瞬間の第一印象、舌の上で広がる風味、喉を通った後の余韻など、五感をフル活用してあらゆる角度からお酒を評価します。この評価は、個人の好みや感覚に左右されるものではなく、長年の経験と知識に基づいた客観的な評価です。格付けは、お酒の名前や値段に関係なく、純粋にお酒そのものの品質を評価します。そのため、消費者は格付けを参考に、安心して美味しいお酒を選ぶことができます。また、お酒を作る蔵元にとっても、格付けは自らの技術を見つめ直し、より良いお酒づくりを目指すための指針となります。格付けには、香りや味わいの種類、濃淡、バランス、余韻の長さなど、様々な評価基準があります。これらの基準を総合的に判断し、最終的なランクが決定されます。格付けによってお酒の品質が保証されるため、消費者はお酒を選ぶ際の判断材料として、格付けを有効に活用することができます。また、蔵元にとっても、格付けは品質向上への努力を促す重要な指標となり、ひいては、お酒全体の品質向上にも繋がっていきます。
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日本酒の採点法:味覚を数値で表現

お酒の良し悪しを数値で表す採点法は、鍛えられた味覚を持つ、お酒の鑑定士とも言うべききき酒師によって行われます。これは、ただ美味しい、美味しくないという個人的な感想ではなく、香り、味わい、後味、全体のバランスといった様々な角度からお酒の質を客観的に評価するものです。採点法を用いる目的は主に三つあります。一つ目は酒造りの技術向上です。採点結果を分析することで、酒造りの過程における改善点を見つけ、より質の高いお酒を生み出すことができます。二つ目は品質管理です。出荷されるお酒の品質を一定に保つために、採点法は欠かせません。三つ目は鑑評会での審査です。全国規模で行われる新酒鑑評会などでは、この採点法が厳格な基準として用いられ、優れたお酒が選ばれています。実は、お酒を点数で評価する習慣は江戸時代からありました。酒屋仲間内で、どの酒が良いかを競っていたという記録が残っています。現代の採点法は、その頃と比べればずっと体系化され、洗練されたものになっています。例えば、全国新酒鑑評会では、多数のきき酒師による緻密な審査が行われ、その結果は酒造業界に大きな影響を与えます。このように、採点法は単なる数値化ではなく、お酒の世界をより深く理解するための重要な手段と言えます。お酒の質を見極めるプロの目を通して、私たちはより深くお酒の奥深さ、面白さを知ることができるのです。