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真空度でわかるお酒の品質

お酒、特に瓶に詰めたお酒を作る上で、「真空度」は品質を守る大切な要素です。 真空度とは、簡単に言うと、瓶の中の液体の表面の上にある空間の空気の薄さを表す数値です。この数値が高い、つまり空気が薄い状態だと、瓶の中の酸素が少ないことを意味します。酸素は、お酒と結びついてお酒の味を悪くする酸化という変化を起こすため、酸素が少ないことはお酒の鮮度と品質を保つ上でとても重要なのです。お酒の種類や保存方法によって適切な真空度は変わりますが、例えば、一升瓶(1.8リットルの瓶)に入ったお酒の場合、真空度40から60くらいが良いとされています。この範囲の数値であれば、お酒本来の風味や品質が保たれていると判断できます。では、なぜ真空状態が良いのでしょうか? お酒は、空気に触れると酸化が進み、味が変わりやすい性質があります。酸素は、お酒の色を悪くしたり、香りを変えたり、風味を損なったりする原因となります。真空状態にすることで、瓶の中の酸素を少なくし、酸化を防ぎ、お酒の味と香りを長持ちさせることができるのです。この真空度は、「真空計」という専用の道具を使って測ります。 針が示す数値が高いほど、瓶の中の酸素が少なく、品質が良いと判断できます。お酒を作る人にとって、適切な真空度を保つことは、製品の品質を管理する上で欠かせない作業です。出荷前の検査では、必ず真空度が確認され、基準を満たしていない場合は出荷されません。このように、真空度は、私たちが美味しいお酒を楽しめるように、製造過程で厳しく管理されている重要な指標なのです。