
日本酒の採点法:味覚を数値で表現
お酒の良し悪しを数値で表す採点法は、鍛えられた味覚を持つ、お酒の鑑定士とも言うべききき酒師によって行われます。これは、ただ美味しい、美味しくないという個人的な感想ではなく、香り、味わい、後味、全体のバランスといった様々な角度からお酒の質を客観的に評価するものです。採点法を用いる目的は主に三つあります。一つ目は酒造りの技術向上です。採点結果を分析することで、酒造りの過程における改善点を見つけ、より質の高いお酒を生み出すことができます。二つ目は品質管理です。出荷されるお酒の品質を一定に保つために、採点法は欠かせません。三つ目は鑑評会での審査です。全国規模で行われる新酒鑑評会などでは、この採点法が厳格な基準として用いられ、優れたお酒が選ばれています。実は、お酒を点数で評価する習慣は江戸時代からありました。酒屋仲間内で、どの酒が良いかを競っていたという記録が残っています。現代の採点法は、その頃と比べればずっと体系化され、洗練されたものになっています。例えば、全国新酒鑑評会では、多数のきき酒師による緻密な審査が行われ、その結果は酒造業界に大きな影響を与えます。このように、採点法は単なる数値化ではなく、お酒の世界をより深く理解するための重要な手段と言えます。お酒の質を見極めるプロの目を通して、私たちはより深くお酒の奥深さ、面白さを知ることができるのです。