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杉玉:新酒の知らせ

酒屋の軒先に、青々とした緑の球体が吊り下げられているのを目にしたことはありませんか?それは「杉玉(すぎだま)」と呼ばれるもので、新しいお酒が出来上がったことを知らせる酒屋ならではの目印です。杉玉は、青々とした杉の葉を丁寧に束ねて、直径40センチメートルほどの球状に刈り込んで作られます。その姿は、まるで緑の鞠のようです。酒屋の軒先に吊るされた杉玉は、酒屋の象徴として、また季節の移り変わりを伝える風物詩として、古くから人々に親しまれてきました。杉玉の色合いの変化は、お酒の熟成具合を示す役割も担っています。吊るされたばかりの杉玉は、鮮やかな緑色をしています。これは新酒が出来上がったばかりであることを示しています。時間が経つにつれて、杉の葉は徐々に茶色く変化していきます。この色の変化は、お酒がゆっくりと熟成している様を表しています。茶色くなった杉玉は、まろやかで深い味わいの熟成酒が楽しめることを静かに物語っているのです。杉玉は、単なる装飾品ではなく、お酒への情熱とこだわり、そして新しいお酒が楽しめる喜びを伝える大切な役割を担っています。軒先に吊るされた杉玉は、道行く人々に、新たな味わいがもうすぐ楽しめるという期待感を与え、酒屋へと誘うかのようです。古くから酒屋に吊るされる杉玉は、日本の伝統的な酒造文化を象徴する存在であり、その存在は今もなお、人々に季節の移ろいと共にお酒の楽しみを伝えています。酒屋を訪れた際には、ぜひ杉玉の色合いに注目してみてください。そこには、職人の技と情熱、そしてお酒が織りなす物語が秘められているはずです。
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新酒の香り、麹ばなの魅力

お酒を好む人にとって、春の訪れを告げる楽しみの一つが新酒です。 冬を越え、暖かな春の光を浴びてすくすくと育った新米から醸されたお酒は、格別の味わいを持ちます。その年に収穫されたばかりの米から造られたばかりのフレッシュな味わいは、まさに春の贈り物と言えるでしょう。新酒特有の香りは「新酒香」と呼ばれ、春の風物詩として多くの人に愛されています。 この香りは、お酒を造る過程で生まれる様々な成分が複雑に絡み合い、織りなすものです。メロンやバナナのようなフルーティーな香りを連想させる吟醸香とはまた異なる、新酒ならではの独特な香りは、日本のお酒文化ならではのものと言えるでしょう。この新酒香の正体は、主に酢酸イソアミルやカプロン酸エチルといった成分です。これらは、お酒を発酵させる酵母によって生成されます。新酒香は、これらの成分が絶妙なバランスで混ざり合うことで生まれます。フレッシュな新酒に多く含まれるこれらの成分は、時間の経過とともに徐々に減少していきます。そのため、新酒香は、まさに旬の時期にしか味わえない貴重な香りなのです。キリリと冷やした新酒を口に含むと、まず最初に新酒香が鼻腔をくすぐります。 続いて、フレッシュでフルーティーな香りが口いっぱいに広がり、春の訪れを全身で感じることができます。新酒は、春の味覚である山菜や筍を使った料理との相性も抜群です。春の恵みである山菜のほろ苦さや、筍の爽やかな風味と、新酒のフレッシュな味わいが絶妙に調和し、春の食卓を華やかに彩ります。今回ご紹介したように、新酒香は春の訪れを感じさせる特別な香りです。 ぜひ、この春の季節に、新酒を味わってみてください。新酒香の世界に触れ、春の訪れを心ゆくまで楽しんでいただければ幸いです。
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新酒の魅力を探る

新しいお酒といえば、その年にできたばかりのお酒のことです。お酒造りの期間は7月から翌年の6月までと決まっており、この間に仕込まれたお酒は全て新しいお酒と呼ぶことができます。つまり、広い意味では、この期間に醸造されたお酒全てが新しいお酒なのです。しかし、一般的に新しいお酒とは、秋に収穫されたばかりの新米を使って、11月から2月にかけて出荷されるお酒のことを指します。特に、熱処理をしていない、しぼりたての新鮮なお酒を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。新しいお酒の魅力は、なんといってもその年にしか味わえない新鮮な風味です。採れたばかりの新米を使い、その年の気候や土地の個性を色濃く反映して生まれるため、毎年異なる味わいが楽しめます。まさに、その年の旬をそのまま味わえるお酒と言えるでしょう。新しいお酒には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、熱処理をしない「生酒」と呼ばれるもの。これは、搾ったままのお酒を瓶詰めしたもので、フレッシュでフルーティーな香りが特徴です。まさに、しぼりたての風味をそのまま味わうことができます。もう一つは、熱処理をしたお酒です。熱を加えることでお酒の中の酵素の働きを止め、味を安定させて保存しやすくしています。熱処理をしたお酒は、生酒に比べて穏やかな味わいで、じっくりと熟成した風味を楽しむことができます。このように、新しいお酒には様々な種類があり、それぞれに異なる味わいを楽しむことができます。フレッシュな生酒を味わうか、熟成された味わいをじっくり楽しむか、好みに合わせて選んでみてください。新しいお酒は、まさに旬の味覚です。その時期ならではの美味しさを、ぜひ堪能してみてください。
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杉玉:新酒の知らせ

酒屋の軒先に緑の球体が吊るされているのを見かけたことはありませんか?それは「酒林」、別名「杉玉」と呼ばれ、新しいお酒が出来上がったことを知らせる印です。その歴史は古く、江戸時代の中頃まで遡ります。その頃には、杉の葉を束ねて吊るすことで、新しいお酒の完成を人々に伝えていました。青々とした杉玉は、まさに新しいお酒の新鮮さを表しています。その爽やかな木の香りは、酒屋の周囲に漂い、人々は新しいお酒の出来栄えを想像しながら、自然と酒屋へと誘われたことでしょう。お酒の種類や味わいを知らせる看板のような役割も担っていたのかもしれません。酒林は、時間の経過と共にその色を変えていきます。はじめは鮮やかな緑色ですが、徐々に茶色へと変化していきます。この色の変化は、お酒の熟成を表しています。緑色は新しいお酒、茶色は熟成したお酒という具合に、酒林の色を見るだけで、その酒屋でどんなお酒が楽しめるのかが分かるのです。現代では、多くの酒屋でこの伝統的な風習が受け継がれています。酒林は、日本の酒文化を象徴する存在として、私たちに季節の移ろいと共に楽しめるお酒の魅力を教えてくれます。街中で酒林を見かけたら、その緑から茶色への変化に注目してみてください。そこには、日本の伝統的なお酒造りの歴史と、お酒の熟成という奥深い世界が隠されているのです。まるで生きているかのように変化する酒林は、私たちに季節の巡りと共に、お酒の楽しみ方も教えてくれる、そんな存在と言えるでしょう。
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酒造年度:その意味と重要性

お酒は、米と水から生まれる、日本の伝統的な飲み物です。そのお酒造りには、一年を通じた工程と、独特の暦が存在します。それが「酒造年度」です。毎年7月1日から翌年の6月30日までの一年間を指し、お酒の製造期間を表す言葉として使われています。なぜ、7月1日から始まるのでしょうか?それは、新米の収穫時期と深く関わっています。お酒造りに最適な新米が、この時期に収穫されるため、酒造年度の始まりも7月1日に定められました。さらに、この時期は、気温と湿度が比較的安定しており、お酒造りにとって理想的な環境が整っています。高温多湿の夏を避け、気温が下がり始める秋から冬にかけて、じっくりと発酵と熟成を進めることができるのです。この酒造年度は、お酒の品質管理においても重要な役割を担っています。製造年を明確にすることで、品質の追跡や管理を容易にし、高い品質を維持することに役立っています。お酒のラベルをよく見ると、「BY」という記号と西暦の下二桁が記載されているのに気付くでしょう。これは、酒造年度を示すものです。例えば、「23BY」とあれば、2023年7月1日から2024年6月30日までに製造されたお酒であることを示しています。このように、酒造年度は、お酒造りの歴史と伝統を反映した、日本独自の制度と言えるでしょう。新米の収穫時期、そして気温と湿度といった自然のサイクルに合わせたこの制度は、四季の移ろいと共に、高品質なお酒を生み出し続けているのです。
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しぼりたての魅力:新酒の鮮度を楽しむ

「しぼりたて」とは、その名の通り、搾りたてほやほやの日本酒のことです。まるで木から摘み取ったばかりの果実のように、日本酒も搾ったばかりの状態が最もみずみずしく、力強い風味を味わえます。一般的には、寒い冬の間、じっくりと仕込まれたお酒が、春の訪れとともに「しぼりたて」として私たちの元に届きます。春の芽出しを思わせるような、フレッシュで躍動感あふれる味わいは、まさに春の味覚の代表格と言えるでしょう。お酒造りの現場では、この「しぼりたて」以外にも、様々な呼び名で呼ばれています。生まれたての力強さを表す「あらばしり」や、その年初めて搾られたお酒であることを示す「初しぼり」など、どれも新鮮な味わいを想起させる名前ばかりです。これらの呼び名は、蔵元ごとのこだわりや伝統を反映しており、それぞれの個性が光ります。「しぼりたて」の味わいは、その年の気候や米の出来具合、そして蔵人たちの技術によって微妙に変化します。同じ蔵元でも、毎年全く同じお酒ができるわけではなく、まさに一期一会の味わいを楽しむことができます。そのため、毎年飲み比べてその年の個性を感じ取るのも、「しぼりたて」ならではの楽しみ方の一つです。「しぼりたて」は、火入れと呼ばれる加熱処理を行っていないことが多いため、繊細な風味と豊かな香りが特徴です。ただし、このフレッシュさゆえに、保存には注意が必要です。温度変化の少ない冷暗所で保管し、なるべく早く飲み切るのがおすすめです。春の訪れとともに、その年にしか味わえない「しぼりたて」をぜひお楽しみください。口に含んだ瞬間、春の息吹と蔵人たちの情熱が、五感を刺激することでしょう。
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酒のラベルを読み解く:BYって何?

お酒のラベルには、様々な情報が記されています。銘柄や原材料はもちろん、アルコール度数や容量など、お酒を選ぶ上で欠かせない情報が詰め込まれています。その中でも、少し見つけにくい場所に記されているのが「製造年度を示す記号」です。「BY」という二文字のアルファベットを見かけたことはありませんか?これは一体何を意味するのでしょうか?実はこの「BY」とは、酒造年度(Brewery Year)の略称です。つまり、そのお酒が製造された年度を示す大切な情報なのです。普段何気なく見ているラベルに、こんな秘密が隠されていたとは驚きですね。では、なぜ製造年度が重要なのでしょうか?それは、お酒の味わいや香りが製造年度によって変化する場合があるからです。例えば、日本酒であれば、同じ銘柄でも製造年度によって米の出来具合が異なり、それが味わいに影響を与えることがあります。また、ウイスキーのように熟成期間が長いお酒であれば、製造年度によって熟成環境が異なり、それが風味に微妙な変化をもたらします。製造年度を知ることで、お酒選びの幅が広がります。同じ銘柄でも、異なる製造年度のものを飲み比べてみれば、それぞれの個性を楽しむことができます。例えば、フレッシュな味わいを求めるなら、製造年度が新しいものを選ぶと良いでしょう。逆に、熟成された深い味わいを求めるなら、製造年度が古いものを選ぶと良いでしょう。このように、ラベルに記された小さな「BY」には、お酒の奥深い世界への扉が隠されています。お酒を選ぶ際には、ぜひ「BY」にも注目してみてください。製造年度を知ることで、より一層お酒を味わうことができるはずです。