日光臭

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ビール

ビールの苦味成分、イソフムロンの新たな可能性

ビールのあの独特な苦み、どこから来るものかご存知ですか?ビールの醸造に使われる「ホップ」という植物がその源です。ホップはアサ科のつる性の植物で、その松ぼっくりのような形をした花の部分「毬花(まりばな)」が使われます。このホップには「α酸」と呼ばれる物質が含まれており、ビール作りの加熱工程でこのα酸が変化することで「イソα酸」という苦み成分が生まれます。そして、このイソα酸を総称して「イソフムロン」と呼びます。つまり、イソフムロンこそがビールの苦味の決め手なのです。ビールの苦みの強さは「国際苦味単位(IBU)」という数値で表されます。この数字が大きいほど、ビールの苦みが強いことを示します。喉ごし爽やかなのど越しで人気のラガービールは一般的にIBU値が低く、苦みが穏やかです。一方、香り高くフルーティーな味わいのエールビール、特にIPAなどはIBU値が高く、強い苦みが特徴です。ビールの苦みは、ただ苦いだけではなく、私たちの体に嬉しい効果も持っています。食欲を増進させたり、食べ物の消化を助ける効果も期待できるといわれています。さらに、ビールのクリーミーな泡にも関係があります。イソフムロンは泡立ちをよくし、きめ細かい泡を長持ちさせる役割も果たしているのです。ビールを飲む際に、苦みとともに泡の美しさにも注目してみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。
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日光に負けない!ビールの風味を守る秘訣

黄金色のビールは、喉の渇きを癒し、楽しい時間を彩る飲み物です。キンキンに冷えたビールを想像するだけで、気分が高揚する人も少なくないでしょう。しかし、この黄金色の恵みは、太陽の光に当たるとその風味を損なってしまうことがあります。せっかくの美味しいビールが、ある種の不快な臭いを発してしまうのはなぜでしょうか。その謎を解く鍵は、ビール独特の苦みと爽快感の源である「イソフムロン」にあります。ビールの原料であるホップに含まれるこのイソフムロンは、ビールに欠かせない成分ですが、実は光に弱いという特徴を持っています。太陽の光、特に紫外線にさらされると、イソフムロンは分解されてしまいます。この分解によって生成される物質が、日光臭の発生源です。分解されたイソフムロンは、ビールの中に含まれる硫黄と結びつきます。すると、「硫化水素」と呼ばれる物質が生まれるのです。この硫化水素こそが、いわゆる「日光臭」の原因です。日光臭は、ゴムのような臭い、あるいはスカンクの臭いに例えられることもあり、ビール本来の爽やかな香りと風味を覆い隠してしまいます。せっかくの美味しいビールが台無しになってしまうのは、実に残念なことです。では、どうすれば日光臭を防ぐことができるのでしょうか。最も簡単な方法は、ビールを太陽光に当てないことです。茶色の瓶は、ある程度紫外線を遮断する効果がありますが、それでも長時間日光にさらされると日光臭が発生する可能性があります。ですから、ビールは冷蔵庫などの冷暗所で保管し、飲む直前まで光に当てないようにするのが最善です。また、缶ビールも同様に、直射日光を避けて保管するようにしましょう。楽しい時間を台無しにしないためにも、ビールの保管場所には気を配り、黄金色の飲み物の美味しさを存分に楽しみましょう。