
本醸造酒:日本酒の奥深さを知る
本醸造酒は、日本酒の種類の中でも特定名称酒に分類されるお酒です。特定名称酒とは、原料や製法に一定の基準を満たしたものだけに認められた名称で、品質の高さの目安となります。本醸造酒はその名の通り、醸造にこだわったお酒で、白米、米麹、水に加えて醸造アルコールを使用するのが特徴です。醸造アルコールは、サトウキビなどから作られる純粋なアルコールで、お酒の風味を整えたり、軽快な飲み口にしたりするために加えられます。ただし、白米の重量の10%までという制限があり、過度な使用は認められていません。この醸造アルコールの添加により、本醸造酒はすっきりとした味わいと豊かな香りが両立したお酒に仕上がります。また、本醸造酒には精米歩合70%以下という規定があります。精米歩合とは、玄米をどれだけ削ったかを表す数値で、数字が小さいほどよく磨かれていることを意味します。米の外側を削ることで、タンパク質や脂質など、雑味の原因となる成分を取り除くことができ、より洗練されたクリアな味わいになります。本醸造酒は、この精米歩合の規定により、雑味が少なくすっきりとした飲み口を実現しています。かつては「本造り酒」や「本仕込み酒」などと呼ばれていたこともありましたが、現在は「本醸造酒」に統一されています。これは、消費者が品質を容易に見分けられるようにとの配慮からです。名前が統一されたことで、安心して本醸造酒を選ぶことができるようになりました。様々な蔵元がそれぞれのこだわりを持って醸す本醸造酒、ぜひ飲み比べてその奥深い世界を堪能してみてください。