
日本酒と横型精米機の深い関係
日本酒造りには欠かせないお米、酒米。その酒米を磨き上げる精米という工程は、日本酒の風味を大きく左右する重要な作業です。精米とは、収穫されたままの玄米から、表面の糠や胚芽といった不要な部分を削り落とす作業のことを指します。この削る割合を精米歩合と呼び、パーセントで表します。例えば、精米歩合70%とは、玄米の重さの70%まで削り、30%を削り落としたことを意味します。この精米歩合は、日本酒の味わいに深く関わっています。精米歩合が高い、つまり米の外側を多く削るほど、中心部分に近い白米が得られます。米の外側には、たんぱく質や脂質、ビタミンなどが多く含まれています。これらは、日本酒にとって雑味や好ましくない香りのもととなる場合があるのです。一方、米の中心部分はでんぷん質が豊富で、純粋な甘みとすっきりとした後味を生み出します。そのため、精米歩合の低い米を使うほど、雑味の少ない洗練された味わいの日本酒に仕上がるのです。一般的に、吟醸酒や大吟醸酒といった香り高く繊細な味わいの高級日本酒は、低い精米歩合の米を用いて醸されます。大吟醸酒では50%以下、吟醸酒では60%以下の精米歩合が定められています。逆に、精米歩合が高い米は、しっかりとしたコクと力強い味わいが特徴の本醸造酒などに用いられます。このように、精米歩合は日本酒の個性を決定づける重要な要素です。精米の技術は長年の経験と高度な技術を要し、酒蔵のこだわりが凝縮されています。それぞれの酒蔵が理想とする日本酒の味わいを求めて、精米歩合を調整し、丹精込めて日本酒を造り上げているのです。