水酸化ナトリウム

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日本酒

お酒と規定濃度の関係

定められた濃さ、これを規定濃度といいます。これは、水に何かを溶かした液体、つまり溶液の中に、どれだけの量の物質が溶けているかを表す尺度の一つです。ただし、ただ溶けている量を見るのではなく、化学反応を起こす力に着目している点が、他の濃度の表し方とは違うところです。具体的には、溶液1リットルの中に、どれだけの物質が溶けているかで濃さを表します。その基準となるのがグラム当量という単位です。酸性の液体やアルカリ性の液体の反応では、水素イオンまたは水酸化物イオンが重要な役割を果たします。この水素イオン1モルまたは水酸化物イオン1モルに相当する物質の量が、1グラム当量にあたります。そして、溶液1リットルの中に1グラム当量の物質が溶けている液体の濃度を1規定といい、記号を使って1規定(1N)と書きます。つまり、規定濃度は、酸性やアルカリ性の液体がどれだけの反応力を持っているかを示す大切な指標なのです。例えば、1規定の塩酸と1規定の水酸化ナトリウム水溶液を同じ量だけ混ぜ合わせると、ちょうど過不足なく中和反応が起こり、中性の液体になります。これは、同じ規定濃度であれば、同じ量の酸とアルカリが反応する力を持っていることを示しています。規定濃度は、化学の実験や分析だけでなく、私たちの日常生活にも深く関わっています。例えば、掃除に使う洗剤や、畑にまく肥料の濃度なども、規定濃度を使って管理されていることがあります。規定濃度を理解することで、身の回りの化学現象をより深く理解できるようになるでしょう。
その他

お酒と塩基:知られざる関係

水に溶けて水酸化物イオンを生み出す物質、それが塩基です。水酸化物イオンとは、酸素原子と水素原子が結びついたもので、マイナスの電気を帯びています。この水酸化物イオンが水に溶けると、水はアルカリ性を示すようになります。アルカリ性とは、酸性の反対の性質を持つもので、苦味を感じたり、赤色のリトマス試験紙を青色に変えたりする性質があります。私たちの身の回りには、様々な塩基が存在しています。例えば、石鹸や洗剤も塩基性の物質です。これらを水に溶かすと、ヌルヌルとした感触があるのは、水酸化物イオンが皮膚の表面にあるたんぱく質を少し溶かすためです。この性質を利用して、石鹸や洗剤は汚れを落とすのに役立っています。また、こんにゃくを作る時に使う凝固剤にも、強いアルカリ性の水酸化カルシウムなどが使われています。塩基は、酸性の物質と出会うと互いの性質を打ち消し合う、中和反応と呼ばれる反応を起こします。この反応によって、水と塩が作られます。例えば、酸性の代表である塩酸と塩基性の代表である水酸化ナトリウムを混ぜ合わせると、水と塩化ナトリウム、つまり食塩が作られます。私たちの胃の中には、食べ物を消化するために塩酸が含まれていますが、胃酸過多になると胃が痛むことがあります。そんな時に飲む制酸剤の中には、胃酸を中和するための塩基性物質が含まれています。塩基の強さは、ペーハーと呼ばれる数値で表されます。ペーハーは0から14までの範囲で表され、7が中性です。7よりも大きくなるほどアルカリ性が強くなり、14に近づくほど強いアルカリ性を示します。逆に、7よりも小さくなるほど酸性が強くなります。水は中性なので、ペーハーは7です。このように、ペーハーの値を知ることで、その液体がどれくらい酸性またはアルカリ性が強いかを知ることができます。