測定

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日本酒

お酒造りの計測器:浮ひょう

浮き秤とは、液体の重さ比べをするための道具です。重さ比べとは、あるものの重さと、基準となるものの重さを比べた値のことです。普通は、液体の場合は、基準となるものとして4度の水を使います。浮き秤は、アルキメデスの法則に基づいて作られています。アルキメデスの法則とは、水などの液体に物を入れると、その物は、押しのけた液体の重さに等しい浮く力を受けるというものです。言い換えると、液体の重さ比べが大きいほど、浮き秤はより浮きやすく、重さ比べが小さいほど、浮き秤はより沈みます。この法則を使って、浮き秤の沈み具合から液体の重さ比べを読み取ることができます。浮き秤は、ガラスで作られた管のような形の道具で、下の部分にはおもりが入っています。このおもりによって、浮き秤はいつもまっすぐ立って液体に浮かびます。そして、管の上の部分には目盛りが刻まれており、液体の表面と目盛りの交わる所から重さ比べを読み取ることができるのです。例えば、水の重さ比べを測る場合、浮き秤は目盛り1の所に来ます。もし、測る液体が水より重い場合、浮き秤は1よりも上の目盛りに来ますし、軽い場合は1よりも下の目盛りに来ます。浮き秤には様々な種類があり、測りたい液体の重さ比べの範囲によって使い分けられます。例えば、牛乳の重さ比べを測るための牛乳用浮き秤や、お酒の重さ比べを測るための酒用浮き秤などがあります。また、目盛りの刻まれ方も様々で、重さ比べを直接読み取れるものや、ボーメ度や比重などの別の単位で目盛りが刻まれているものもあります。そのため、使用する際には、どの種類の浮き秤を使うべきか、目盛りはどのように読み取れば良いのかをしっかりと確認することが大切です。
その他

アルキメデスの原理:お酒の世界での役割

お風呂で体が軽く感じる現象、これは古代ギリシャの賢者、アルキメデスが見つけた法則で説明できます。この法則は、アルキメデスの原理と呼ばれ、水の中にある物は、押しのけた水の重さの分だけ軽くなるというものです。これをもっと詳しく見ていきましょう。水を張った桶に、ある物体を沈めるとします。すると、物体は桶の中の水を押しのけ、水位が上がります。この時、押しのけられた水の重さと等しい大きさの力が、下から上へと物体を押し上げます。これが浮力と呼ばれるものです。浮力は、水だけでなく、あらゆる液体や空気中でも働きます。例えば、空気で膨らませた風船を考えてみましょう。風船は周りの空気を押しのけています。そして、押しのけられた空気の重さと等しい浮力を受けます。風船の重さがこの浮力よりも小さければ、風船は空へと浮かび上がります。反対に風船の重さが浮力よりも大きければ、風船は地面に落ちてしまいます。同じ大きさの物でも、軽い物は浮きやすく、重い物は沈みやすいのは、このためです。例えば、同じ大きさの木の板と鉄の塊を水に浮かべるとします。木の板は軽く、押しのけた水の重さと等しい浮力が木の板の重さよりも大きいため、浮かびます。一方、鉄の塊は重く、押しのけた水の重さと等しい浮力が鉄の塊の重さよりも小さいため、沈んでしまいます。このように、アルキメデスの原理は、物が液体や空気中で浮いたり沈んだりする現象を説明する重要な原理です。私たちが日常で感じる、お風呂での体の軽さや、空に浮かぶ風船なども、全てこの原理によって説明できるのです。
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温度補正:正確な酒質測定のために

お酒作りや品質の良し悪しを確かめる上で、アルコールの量や日本酒度といった数字はとても大切です。これらの数字は、お酒の味や特徴を知る手がかりとなります。しかし、これらの数字を測る時、温度が大きく影響することをご存知でしょうか?温度が変わると、お酒の体積も変化してしまうため、正確な値を測るためには温度の影響を調整する必要があります。これが「温度補正」です。温度補正とは、測った温度が基準となる15度ではない時に、特別な表を使って15度での値に読み替える作業のことです。温度によって液体が膨らんだり縮んだりすることを考えて、本当の値を導き出すために必要な手順です。例えば、同じお酒でも温度が高いと体積が増え、アルコールの濃度が薄く測られてしまうことがあります。また、日本酒度も温度によって変化し、実際よりも甘口または辛口に感じられることがあります。このようなズレを無くすため、温度補正は欠かせません。温度補正は、主に公式な分析や記録に用いられます。酒蔵では、製品の品質を一定に保つため、また税金を計算するために正確なアルコール度数を知る必要があります。そのため、測定値を15度での値に補正することは非常に重要です。適切な温度補正を行うことで、お酒の品質を正しく評価でき、安定したお酒作りを続けることができます。また、消費者にとっても、表示されているアルコール度数や日本酒度が正確であることは、お酒を選ぶ上で大切な情報となります。温度補正は、お酒作りに関わる全ての人にとって、なくてはならない工程と言えるでしょう。
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米粒の数え方:穀粒計のご紹介

穀粒計とは、その名前の通り、穀物の粒、中でもお米の粒の数を数えるための道具です。一見すると、縦横に細かい溝が彫られた小さな板のように見えます。この一見簡素な道具ですが、農業や研究の現場でお米の粒の数を正確に測る際に、とても役立っています。お米の粒の大きさは、種類や育った環境によって微妙に違います。そのため、目で見て数を数えるのは至難の業です。そこで、この穀粒計を使うことで、一定量のお米の粒を素早く、そして正確に計量することができるのです。この穀粒計は、お米の収穫量の予測に役立ちます。農家の方々は、収穫前に穀粒計を使って稲穂から籾米を採取し、その粒の数を数えることで、収穫時期や収穫量を予測することができます。また、お米の品質管理にも欠かせません。お米の粒の大きさや形が揃っているかどうか、異物がないかどうかなどを確認することで、お米の品質を一定に保つことができます。さらに、研究の現場でも重要な役割を果たしています。例えば、新しい品種の開発や栽培方法の研究などにおいて、正確なサンプル量を測る必要がある場合に、穀粒計はなくてはならない道具となっています。穀粒計の使い方はとても簡単です。まず、計りたいお米を穀粒計の上に置きます。次に、穀粒計を傾けながら、溝に沿ってお米の粒を並べていきます。すると、溝の数によって決まった数のお米の粒が計量されます。このように、穀粒計は、簡素ながらも正確にお米の粒を数えることができる、便利な道具なのです。そのおかげで、農業や研究の現場で、時間と労力を大幅に削減することが可能になっています。まさに、小さくても大きな役割を担う道具と言えるでしょう。