白糠

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日本酒

日本酒と米:白糠の役割

日本酒造りにおいて、お米を磨く作業は欠かせない工程です。玄米の状態からどれだけ削り落とすかを示す数値が精米歩合で、この数値が小さければ小さいほど、より多く削っていることを示します。削ることで生まれる糠には、大きく分けて赤糠、中糠、白糠、特上糠(または特白糠)の4種類があり、それぞれ削る割合や含まれる成分が違います。まず、玄米を削り始めた際に出るのが赤糠です。これは玄米の表面に近い部分で、脂質やたんぱく質が多く含まれています。次に削られて出てくるのが中糠です。赤糠より色が薄く、脂質やたんぱく質の含有量は少なくなります。そして、中心に近づくにつれ白糠が現れます。白糠はさらに色が白く、より純粋なでんぷん質となっています。最後に残るのが特上糠(または特白糠)です。これはお米の中心に最も近く、非常に純粋なでんぷん質を含んでいます。これらの糠は、精米歩合によって分類され、それぞれ用途が異なります。赤糠は肥料や家畜のエサに、白糠は漬物を作るときの床材や洗顔料に使われることがあります。特上糠は、高級な日本酒造りに使われることもあります。このように、精米歩合と糠の種類は日本酒の質や風味に大きく関わってきます。精米歩合が低いほど、雑味が少なくなり、すっきりとした味わいになる傾向があります。一方で、米の旨味も削られてしまうため、バランスが重要です。使用する酒米の種類や目指す日本酒の味わいに応じて、最適な精米歩合が選ばれます。