種麹

記事数:(3)

日本酒

種振り:麹づくりの肝

日本酒や焼酎、味噌や醤油など、日本の伝統的な発酵食品づくりには欠かせない麹。その麹づくりにおいて、種振りは麹の出来栄えを左右する非常に大切な作業です。種振りとは、蒸した米に麹菌の胞子を振りかける作業のことです。麹菌は、蒸米の中で芽を出し、根のような菌糸を伸ばして成長していきます。この菌糸が、米に含まれるでんぷんやたんぱく質を分解し、糖やアミノ酸などを作り出します。そして、これらの成分こそが、発酵食品特有の風味や香りのもととなるのです。種振りが適切に行われないと、麹菌が米全体に均一に広がらず、一部に集中して繁殖したり、逆に繁殖しない部分が出てきてしまいます。こうなると、質の低い麹になってしまい、最終的に出来上がる発酵食品の品質にも悪影響を及ぼします。例えば、香りが弱かったり、味が薄かったり、場合によっては腐敗してしまうこともあります。種振りの際には、蒸米の温度や湿度、麹菌の種類など、様々な要素を考慮する必要があります。温度が高すぎると麹菌が死んでしまい、低すぎると繁殖が遅くなります。また、湿度も適切に保たなければ、麹菌がうまく成長できません。さらに、作る食品によって適した麹菌の種類も異なります。そのため、長年の経験と技術に基づいて、最適な条件を見極めることが重要です。まさに、種振りは麹づくりの肝となる工程と言えるでしょう。熟練した職人は、手のひら全体を使って麹菌を蒸米に丁寧に擦り込み、均一に繁殖するように気を配りながら作業を行います。こうして丹念に作られた麹は、日本の食文化を支える大切な役割を果たしているのです。
日本酒

日本酒造りの要、種麹の世界

お酒造りに欠かせない麹は、蒸したお米に麹菌を育てたものです。この麹菌をうまく育てるために、種麹を使います。種麹は、ちょうど植物の種のように、麹菌の始まりとなるものです。麹菌の胞子が含まれており、蒸米に種麹をまぶすことで、胞子が芽を出し、麹菌が育ち始めます。種麹の良し悪しは、最終的なお酒の味に大きく影響します。そのため、お酒造りでは非常に大切な役割を担っています。温度や湿度の管理をしっかり行いながら種麹を作ることによって、元気な麹菌を得ることができ、質の良い麹を作ることができます。種麹には様々な種類があり、使い方もそれぞれです。種類や使い方によって、お酒の風味や香りが変わります。それぞれの蔵元は、自分たちが造りたいお酒に一番合う種麹を選んで使っています。例えば、日本酒の種類によって、力強い香りを出す種麹や、穏やかな香りを出す種麹など、様々な種類を使い分けています。麹作りはお酒造りの最初の工程であり、種麹はその土台となる大切なものです。種麹を選ぶことで、最終的に出来上がるお酒の味わいの方向性が決まると言っても過言ではありません。良いお酒を造るためには、まず質の良い麹を作ることが重要であり、そのためには質の良い種麹選びが欠かせないのです。それぞれの蔵元が長年の経験と技術を活かして、最適な種麹を選び、丹精込めてお酒を造っています。
日本酒

日本酒造りの鍵、種もやしとは?

日本酒作りにおいて、麹は酒の味わいを左右する重要な役割を担っています。麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたものです。この麹菌の働きによって、米に含まれるデンプンが糖に変わり、その糖を酵母がアルコールへと変えることで、日本酒が出来上がります。つまり、麹なくしては日本酒は生まれないと言えるでしょう。この麹作りにおける最初の段階、麹菌の繁殖を促すために欠かせないのが種麹、別名種もやしです。種もやしは、麹菌を育てるための苗床のようなもので、種もやしの質が麹の質、ひいては日本酒の味わいに大きく影響します。良質な種もやしからは活発な麹菌が育ち、米のデンプンを効率よく糖に変えてくれます。逆に質の悪い種もやしからは、十分な働きができない麹菌しか育たず、結果として出来上がる日本酒の風味も損なわれてしまうのです。種もやし作りは、まず蒸した米に胞子の形で存在する麹菌を付着させることから始まります。その後、温度や湿度を細かく管理しながら麹菌を繁殖させていきます。この過程では、麹菌が均一に繁殖するように、米を定期的に混ぜ合わせる作業も必要です。まさに、麹職人の経験と技術が試される繊細な作業と言えるでしょう。麹作りは酒造りの心臓部と例えられますが、種もやし作りはその心臓部を動かすための最初の鼓動、いわば生命の源と言えるでしょう。 だからこそ、酒蔵では種もやし作りに細心の注意を払い、伝統的な技法を守りながら、より質の高い種もやし作りに励んでいるのです。