純度検定

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日本酒

β-アラニン培地:きょうかい7号酵母の純度検定

きょうかい7号酵母は、日本酒造りに欠かせない、いわば名脇役のような存在です。吟醸香と呼ばれる、果実や花を思わせる華やかな香りを生み出す能力に長けており、その香りは日本酒の魅力を大きく引き立てます。この酵母は、正式には「きょうかい7号酵母」と呼ばれますが、一般的には「協会7号」と略されることも多く、日本酒業界では知らない人はいないほど広く知られています。数多くの日本酒の銘柄がこの酵母を用いて造られており、その味わいは多種多様。中には、この酵母の特性を最大限に活かすことで、他に類を見ない独特の風味を醸し出す銘柄も存在します。きょうかい7号酵母がこれほどまでに広く使われている理由は、その優れた発酵能力と、安定した品質にあります。同じ条件で仕込みを行えば、ほぼ同じように発酵が進むため、酒造りの上で非常に扱いやすい酵母と言えるでしょう。しかし、どんなに優れた酵母であっても、他の微生物が混入してしまうと、本来の香りが損なわれたり、味が変化したりする可能性があります。そのため、きょうかい7号酵母の純度を保つことは、高品質な日本酒を造る上で非常に重要です。そこで登場するのが「β-アラニン培地を用いた純度検定」です。これは、きょうかい7号酵母だけが生育できる特殊な培地を用いて、他の微生物が混ざっていないかを調べる方法です。この検定によって、酵母の純度を厳しく管理することで、私たちがいつも飲んでいる日本酒の品質が保たれているのです。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。