細菌

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赤めし:原因と対策

蒸し暑い時期、お弁当やおにぎりを開けた時、ご飯が鮮やかな赤色に染まっているのを見て、驚いた経験はありませんか?この「赤めし」は、見た目にも食欲をそそるものではなく、一体何が原因で起こるのか、不安に思う方もいるでしょう。実は、この変色の原因は細菌です。高温多湿な環境、特に夏の時期は、細菌が繁殖しやすい絶好の条件となります。炊いたご飯を常温で長時間放置すると、空気中に漂う様々な細菌が付着し、増殖を始めます。その中でも、赤めしの原因となる代表的な細菌がセレウス菌です。セレウス菌は、土壌や水、空気中など、自然界に広く分布しており、食品にも付着しやすい性質を持っています。このセレウス菌が米に付着し、高温多湿な環境で増殖すると、赤い色素を生成するため、ご飯が赤く変色するのです。セレウス菌の中には、食中毒を引き起こす種類も存在します。そのため、赤めしを発見した場合は、決して食べずに、廃棄することが大切です。少し赤くなっているからといって、赤い部分だけを取り除いて食べるのも危険です。目に見えない部分にも菌が繁殖している可能性があるからです。赤めしの発生を防ぐためには、ご飯を長時間常温で放置しないことが最も重要です。炊きたてのご飯はできるだけ早く食べきり、残った場合は、速やかに冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫での保存も、時間を置けば置くほど菌が繁殖するリスクが高まるため、なるべく早く食べきるように心がけましょう。また、お弁当を作る際は、保冷剤を活用したり、直射日光を避けるなど、温度管理にも気を配りましょう。これらの予防策をしっかり行うことで、安全でおいしいご飯を楽しむことができます。
日本酒

細菌酸度:清酒醸造の衛生指標

日本酒は、米と水、麹、酵母といった自然の贈り物から生まれる醸造酒です。その芳醇な香りと味わいは、酒造りの繊細な技術と丹念な管理によって生み出されます。清酒製造において、雑菌の混入は品質低下の大きな要因となるため、徹底した衛生管理が欠かせません。酒蔵では、様々な方法で衛生状態を監視していますが、その重要な指標の一つが「細菌酸度」です。細菌酸度は、酒母や醪といった仕込み中の液体に含まれる細菌の量を間接的に測る指標です。細菌が増殖すると、糖やアミノ酸などの栄養分を分解し、有機酸を生成します。この有機酸の量が増えることで、液体の酸度が上昇します。つまり、細菌酸度が高いほど、仕込み液中に多くの細菌が存在する可能性が高いと考えられます。ただし、細菌酸度はあくまで間接的な指標であり、乳酸菌のように有用な細菌も酸を生成するため、細菌酸度が高いからといって必ずしも悪い酒になるとは限りません。細菌酸度の測定は、水酸化ナトリウム溶液を用いて行います。具体的には、一定量の仕込み液を中和するために必要な水酸化ナトリウム溶液の量を測定し、その値から細菌酸度を算出します。酒造りの現場では、この細菌酸度を定期的に測定することで、衛生状態を把握し、必要に応じて対策を講じることで、高品質な日本酒の製造を維持しています。細菌酸度の管理は、酒の品質を左右する重要な要素であり、杜氏の経験と勘、そして最新の科学的知見に基づいて、日々細心の注意が払われています。麹や酵母といった微生物の働きを巧みに利用しながら、雑菌の繁殖を抑える、繊細な技術の積み重ねが、芳醇な日本酒を生み出すのです。