腹白

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日本酒

酒米の秘密:腹白米

美味しいお酒を造る上で、原料となるお米の良し悪しは欠かせない要素です。普段私たちが口にするお米とは別に、お酒造りに特化したお米が存在し、広く「酒米」と呼ばれています。酒米は、食用米とは異なる性質を持っており、その違いがお酒の味に大きく影響します。まず、お米に含まれるでんぷんに着目してみましょう。お酒造りにおいて、でんぷんは酵母によってアルコールへと変化する大切な成分です。酒米は、食用米に比べてでんぷんの粒が大きく、その量も多いのが特徴です。この豊富なでんぷんのおかげで、より多くのアルコールを生み出すことができます。また、でんぷんの質も重要です。酒米のでんぷんは、純粋で雑味が少ないため、すっきりとした味わいのお酒に仕上がります。次に、お米に含まれるたんぱく質について考えてみましょう。たんぱく質は、お酒にとって好ましくない成分です。たんぱく質が多いと、お酒に雑味や濁りが出てしまい、風味を損ねてしまいます。酒米は、食用米に比べてたんぱく質が少ないため、雑味のないクリアなお酒を造ることができます。特に、お米の中心部にある白い部分「心白」が大きい酒米は、たんぱく質が少なく、良質なお酒の原料として重宝されます。心白の大きさは、精米のしやすさにも関係しており、無駄なくお米を削ることができるため、効率的なお酒造りが可能です。さらに、お米の粒の大きさや形も大切です。酒米は、粒が大きく均一であることが理想とされます。大きな粒は、精米の際に表面を削る割合「精米歩合」を調整しやすく、目指すお酒の味わいに近づけることができます。また、粒の形が揃っていると、醪(もろみ)の温度や発酵の状態を均一に保つことができ、安定した品質のお酒を造ることができます。このように、酒米は、お酒造りの根幹を支える重要な存在と言えるでしょう。