日本酒 お酒の仕込み規模:味わいに影響する?
お酒造りにおいて「仕込みの大きさ」とは、お酒の原料となるお米の量、すなわち一回の仕込みで使う白米の総重量のことです。この重さは、醪(もろみ)一仕込みあたりで計算し、単位はキログラムで表します。例えば、一仕込みで一トンの白米を使う場合は、その仕込みの大きさは千キログラムとなります。この仕込みの大きさは、蔵の規模や設備、そして目指すお酒の風味に合わせて、蔵人が丁寧に決めます。小さな仕込みでは、細やかな管理ができ、特定の風味を追求しやすいという利点があります。大きな釜で少量のお米を炊くことを想像してみてください。火加減や水の量を細かく調整しやすく、狙い通りの炊き上がりを実現しやすいでしょう。反対に、大きな仕込みでは、一度にたくさんのお酒を造ることができ、効率的です。大きな釜で大量のお米を一気に炊くイメージです。一度にたくさんの量をこなせるので、作業の手間が省けます。仕込みの大きさは、最終的なお酒の風味に微妙な影響を与えることがあります。これは、仕込みの大きさが発酵の進み具合に影響を与えるためです。小さな仕込みでは、発酵が均一に進みやすく、繊細な風味のお酒になりやすい傾向があります。一方、大きな仕込みでは、発酵にムラが生じやすく、どっしりとした力強い風味になりやすい傾向があります。このように、仕込みの大きさは、お酒の味わいを形作る重要な要素の一つです。それぞれの蔵が、それぞれのこだわりを持って、独自の仕込みの大きさでお酒を造っています。同じ銘柄のお酒でも、仕込みの大きさによって微妙に風味が異なる場合もあります。飲み比べてみると、それぞれの仕込みの大きさによる味わいの違いを楽しむことができるでしょう。まるで、同じ素材でも調理法によって味が変わる料理のように、お酒も仕込み方によって様々な表情を見せてくれます。その時々の違いを味わうのも、お酒を楽しむ醍醐味の一つと言えるでしょう。
