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ウィスキー

ノンエイジウイスキーの世界

ウイスキーのラベルには、通常、樽の中で寝かされた年数が記されています。十年、十八年といった風にです。これは、そのお酒が少なくともその年数、樽の中で熟成されたことを示しています。しかし近年、この熟成期間を示さないウイスキーが増えてきました。「ノンエイジ」と呼ばれる種類のウイスキーです。ノンエイジウイスキーとは、読んで字の如く、ラベルに熟成した年数が記されていないウイスキーのことです。これまでウイスキーの世界では、長い年月をかけて熟成されたものほど価値が高いとされてきました。しかし、ノンエイジウイスキーの登場は、ウイスキーの価値観に変化をもたらしています。ノンエイジウイスキーだからといって、必ずしも熟成期間の短いウイスキーとは限りません。中には、長い年月をかけて熟成された原酒が含まれているものもあります。むしろ、熟成期間を表示しないことで、作り手はより自由に原酒を混ぜ合わせることができ、様々な味わいを表現できるようになりました。様々な熟成期間の原酒を組み合わせることで、若々しい風味と熟成された風味の両方をバランスよく持ち合わせた、複雑で奥深い味わいを生み出すことが可能になります。ノンエイジウイスキーは、熟成年数という一つの指標にとらわれず、ブレンダーの技術と経験によって生み出される、新しいウイスキーの楽しみ方と言えるでしょう。特定の年の原酒だけに頼らず、様々な年の原酒を組み合わせることで、安定した品質を保ちながら、常に新しい味わいを追求することが可能になります。また、価格を抑えながらも高品質なウイスキーを提供できるという利点もあります。ノンエイジウイスキーは、ウイスキーの新しい可能性を示す、注目すべき存在と言えるでしょう。
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年代表示なしのお酒:ノンエイジ

お酒のラベルに書かれた年数表示。これは、そのお酒が樽の中でどれくらいの期間熟成されたかを示す大切な情報です。ウイスキーの場合、よく見かけるのは12年もの、18年ものといった表記。これらの数字は、そのボトルに含まれるウイスキーの中で最も若い原酒の熟成年数を表しているのです。例えば、12年とあれば、使われている原酒の中で最も若いものが12年以上熟成されているという意味になります。もっと古い原酒がブレンドされている可能性ももちろんあります。しかし、中には年数表示のないお酒もあります。これを「ノン・エイジ・ステイメント」と呼び、略して「エヌ・エー・エス」もしくは「ノンエイジ」とも呼ばれます。こうしたお酒には、具体的な熟成年数がラベルに書かれていません。では、中身のウイスキーは熟成されていないのかというと、そういうわけではありません。ノンエイジのお酒にも、様々な熟成年数の原酒がブレンドされているのです。中には、年数表示のある高級ウイスキーにも劣らない、しっかりと熟成された原酒が使われている場合もあります。ノンエイジのお酒を作る理由は様々です。大きな理由は、ウイスキーの風味をより自由に調整できるという点です。年数表示に縛られず、若い原酒の持つフレッシュな風味と、古い原酒の持つ深いコクを自由に組み合わせることで、作り手の目指す理想の味わいを追求できるのです。また、需要と供給のバランスを保つため、あるいは新しい風味に挑戦するために、ノンエイジのお酒が選ばれることもあります。そのため、ノンエイジだからといって品質が劣るということは決してありません。むしろ、作り手のこだわりや技術が凝縮された、個性豊かなお酒と言えるでしょう。